CARTO Tiles API
2025年11月24日 15:33

GISBoxは、OSGB/GEOTIFF/RVT などの複数の GIS フォーマットでの編集をサポートし、3DTiles/Terrain への変換や公開が可能なワンストップ 3DGIS データ編集、変換、公開プラットフォームです。

概要

CARTO Tiles API は、CARTO プラットフォームが提供する、高効率な地理空間データ処理と可視化のためのインターフェースです。大規模データセットをタイル(tiles)に分割し、事前描画(プリレンダリング)することで、地図の読み込み速度と閲覧体験を最適化します。また、動的タイルや集約タイルなど多様なタイル形式をサポートしています。この API は OGC API–Tiles 規格 に基づいて構築され、CARTO の deck.gl の宣言的スタイル言語と組み合わせることで、柔軟な地図スタイルのカスタマイズやインタラクティブなアプリケーション開発を可能にします。

データフォーマットの概要

CARTO Tiles API のファイル構造は、主に以下の中核コンポーネントで構成されています。

  1. タイルエンドポイント:ベクタータイル(MVT 形式)を直接リクエストするためのエンドポイント。
  2. メタデータエンドポイント:タイルセットの範囲、属性フィールド、座標系などのメタデータ(JSON)を取得。
  3. スタイル設定:独立した JSON 形式のスタイルファイルで、色やラベルなどの可視化ルールを定義。
  4. SQL クエリエンドポイント:SQL を用いて動的にタイルを生成し、データをリアルタイム処理。
  5. 静的リソース:地図描画に必要なアイコンやフォントなどの補助リソース。

長所

  1. 高性能な可視化:プリレンダリングされたタイル(動的タイル、集約タイルなど)により、現在の表示範囲のみを描画するため、高速なレスポンスと帯域の最適化が可能で、大規模空間データの処理に適しています。
  2. 柔軟なデータ統合:GeoJSON や Shapefile など多様なデータ形式に対応し、BigQuery、Snowflake などのクラウドデータウェアハウスとも接続可能。Analytics Toolbox の SQL モジュール(例:tiler)により、外部での事前処理なしに動的タイル生成が可能です。
  3. 開発者フレンドリー:CartoCSS や JavaScript ライブラリ(CartoJS)を利用でき、deck.gl との統合により高度なベクター描画やインタラクティブな地図アプリケーションの構築が容易。
  4. 多様なタイルタイプのサポート:動的タイル、静的タイル、集約タイル、空間インデックスタイルの 4 種類をサポートし、幅広い利用シーンに対応します。

短所

  1. コストが高い:エンタープライズ向け API の利用料金は高額で、スタートアップや小規模チームには負担が大きい場合があります。また、一部の旧機能は廃止され、新アーキテクチャへの移行が必要です。
  2. 学習コストと設定の複雑さ:MapConfig ファイルによるスタイルやインタラクション定義が必要で、初心者にはハードルとなります。加えて、プライベートデータにアクセスするには API Key の設定が必要で、運用の複雑さが増します。
  3. クライアント側レンダリングの制約:Mapbox Vector Tiles に比べ、スタイル設定がサーバー側に依存する部分が多く、クライアント側の柔軟性やリアルタイムインタラクションの能力に制限があります。

応用シーン

CARTO Tiles API は、大規模地理空間データのインタラクティブな可視化を必要とする多様な分野で利用されています。都市計画では、インフラ分布、人口密度、土地利用変化などを可視化し、都市成長の分析に役立ちます。ビジネスインテリジェンスの分野では、店舗立地、顧客ヒートマップ、物流ネットワークの表示に利用され、CartoCSS と組み合わせて販売データを動的に描画し、地域戦略の最適化を支援します。環境監視では、空気質や植生覆度などのセンサーデータをリアルタイムで統合し、気候変動研究に役立つインタラクティブなエコロジーマップを作成できます。交通管理では、ベクタータイル技術により、リアルタイム交通状況、事故地点、バス路線などを効率的に表示し、ナビゲーションシステムの応答性を向上させます。さらに、CARTO と Analytics Toolbox を組み合わせることで、BigQuery などのデータウェアハウス上で直接集約タイルを生成でき、金融リスク分析や公衆衛生の追跡など複雑な分析にも応用可能です。

1. PostGIS で変換・解析したデータを MVT で動的にレンダリングした例。

2. 位置情報インテリジェンスアプリケーションの構築例。

ファイルの開き方

1. CARTO Workflows を使用して分析タスクを実行する方法。

関連地図サービス

Sentinel Hub - ESA

セシウム地形サービス

OpenTopography API

HERE Maps API

参考

  1. https://blog.csdn.net/weixin_28913879/article/details/151252450
  2. https://carto.com/blog/using-mvt-in-carto
  3. https://carto.com/esri-arcgis-alternative
  4. https://carto.com/blog/carto-new-user-guide