QGIS Cloud
2025年11月24日 16:04
GISBoxは、OSGB/GEOTIFF/RVTなどの複数のGISフォーマットでの編集をサポートし、3DTiles/Terrainへの変換や公開が可能なワンストップ3DGIS データ編集、変換、公開プラットフォームです。
概要
QGIS Cloud(キュージーアイエスクラウド) は、オープンソースGISソフトウェアである QGIS を基盤とした クラウド型地理情報プラットフォーム です。ユーザーは専用プラグインを利用することで、デスクトップ上で作成したGISプロジェクトを迅速にウェブマップとして公開でき、サーバー構築を行わずに空間データを共有することが可能です。個人向けの空間情報基盤(SDI)を構築でき、PostgreSQL / PostGIS によるデータベース管理にも対応しています。サービス形態は、一般公開向けの無料版と、アクセス制御機能を備えた Pro 版の2種類が提供されています。QGIS Desktop にプラグインをインストールするだけで、クラウドへのマップ公開を簡単に実現できるのが特徴です。

データフォーマットの概要
- プロジェクトファイル:XML形式でQGISセッションの状態を保存し、レイヤー設定、座標系、印刷レイアウト、シンボルスタイルなど、28項目にわたる設定情報を管理します。これらは関連データとスタイル構成を統合した .qgz 形式としてパッケージ化することができます。
- データ格納構造:ベクターデータは PostgreSQL / PostGIS データベースで管理され、空間インデックスや属性テーブルの結合をサポートします。ラスターデータはピラミッド構造を採用して表示を高速化し、COG(Cloud Optimized GeoTIFF) 形式のクラウドタイル読み込みに対応しています。点群データは E57形式 に対応し、動的な間引きや分類表示をサポートします。
- クラウド専用コンポーネント:QGIS Cloudプラグインを使用することで、ローカルプロジェクトをクラウド上にシームレスに公開できます。これにはマップレンダリングエンジンや OGCサービスインターフェースが含まれます。また、各ユーザー専用の クラウド型PostgreSQLデータベース が割り当てられ、SSL暗号化通信と空間データ管理をサポートします。
- メタデータと設定:座標参照系(例:WGS84 EPSG:4326)、デフォルトスタイルライブラリ、プラグイン設定などのメタデータを含みます。データソース接続やシンボルルールはXMLファイルを用いて定義されます。
長所
- オープンソースかつ無料:オープンソース構成に基づき、ライセンス費用が不要なため、個人ユーザーや小規模チームに最適です。
- シームレスな統合:QGIS Cloudプラグインにより、ローカルプロジェクトファイルとクラウドデータベースがスムーズに連携し、ワンクリックでの公開と共有が可能です。
- マルチフォーマット対応:70種類以上のベクターフォーマット(Shapefile、GeoJSONなど)およびラスターデータ(COGなど)に対応し、PostgreSQL / PostGISによる空間データベース管理も可能です。
- クロスプラットフォーム対応:Windows、macOS、Linuxをサポートし、クラウドサービスの利用に社内サーバー環境を必要としません。
- 豊富なプラグインエコシステム:MetaSearch、QField Syncなどのプラグインによって、データダウンロード、同期、3D解析などの機能を拡張できます。
短所
- パフォーマンスの制約:大規模ラスターデータ(例:全球DEM)を処理する際には描画速度が低下し、データの分割やGPU加速が必要になる場合があります。
- 学習コストの高さ:インターフェースが情報量豊富で、シンボル設定や空間解析などの高度な操作を習得するまでに時間を要します。
- エンタープライズ機能の不足:ArcGIS Proと比較すると、スカイライン解析などの高度な3D編集機能や、包括的な権限管理システムが不足しています。
- コミュニティサポートの限界:専門的な質問への対応は開発者コミュニティに依存しており、商用ソフトウェアに比べて回答までの時間が長くなることがあります。
応用シーン
オープンソースGISクラウドプラットフォームとしてのQGIS Cloudは、主に 地理空間データのクラウド保存・共有・共同分析 の分野で利用されています。ユーザーはプラグインを通じて、ローカルのQGISプロジェクトをワンクリックでオンラインマップとして公開でき、サーバー構築を行わずにチームメンバーや一般公開向けに共有することが可能です。
個人用PostgreSQLデータベース機能は、クラウド上で空間データ管理を行いたいユーザーに適しており、QField Syncプラグイン によりデスクトップとモバイル端末間のデータ同期も可能です。これにより、フィールド調査や現地データ収集業務を効率化します。教育機関や非営利団体では、無料版を利用してGIS教育やプロジェクト開発(例:行政区域の可視化、OSMやGoogle Mapsのベースマップ重ね合わせ)を行うケースが多いです。さらに、複数ユーザーによる同時編集やリアルタイム更新 にも対応しており、チーム単位での地理データ共同作業にも適しています。
例
1. QGISで提供されるフィーチャレンダリングの方法。

2. QGISによるオンラインマップの読み込み画面。

ファイルの開き方
1. QGIS Cloud上で自分のデータを用いてマップを作成する。

関連地図サービス
Sentinel Hub - ESA
CARTO Tiles API
Naver Maps API
Apple Maps
参考
- https://qgiscloud.com/
- https://qgis.org/project/overview/
- https://gisgeography.com/qgis-cloud/