TM35FIN(フィンランド横メルカトル座標系、EPSG:3067)
2025年11月05日 17:04
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概要
TM35FIN(ティーエム・サンジュウゴ・フィン、フィンランド横メルカトル座標系、EPSG:3067)は、フィンランド全域で標準的に採用されている地理座標参照系です。本座標系は、WGS84楕円体に基づくトランスバース・メルカトル投影(横メルカトル投影)を用いており、東経27度を中央子午線とする設計が特徴です。国土地理院や地方自治体の空間データ基盤(SDI)に広く導入され、公共測量、都市計画、インフラ整備、環境調査など幅広い用途で活用されています。
構成要素
- 測地基準系:ETRS89(GRS80楕円体に基づく)
- 投影法:横メルカトル(Transverse Mercator)
- 中央経線:25°E
- 基準緯度:0°
- 縮尺係数:0.9996
- 座標単位:メートル
- EPSGコード:3067
長所
- 高精度な全国統一性:フィンランド全土において一貫性のある座標を提供し、測量・地図作成の精度が向上。
- 国際標準との互換性:ETRS89に基づいているため、ヨーロッパ全体の測地基準系との親和性が高い。
- GISへの適合性:メートル単位を使用するため、距離や面積計算が容易。
- 広域利用に強い:従来のKKJに比べて歪みが少なく、全国規模のGISデータ処理に適している。
短所
- 一部地域での変形:投影法の特性上、フィンランド西部・東部の端では軽度の歪みが発生する。
- 旧座標系との変換コスト:従来のKKJからのデータ変換には座標変換作業が必要で、過去の資産データとの統合に手間がかかる。
- 国際利用の限定性:フィンランド国内向けに設計されているため、国外データとの直接利用には適さない場合がある。
応用シーン
TM35FIN(EPSG:3067)は、フィンランドにおける行政・都市計画・インフラ整備・森林管理・環境モニタリング・交通計画など幅広い分野で利用されています。特にGISプラットフォーム上での空間解析や3D都市モデルの構築、森林資源の管理や国土利用計画において標準的に活用され、国家規模での地理空間情報インフラの基盤を担っています。また、災害対策や気候変動の影響評価といった分野でも重要な役割を果たしており、国内外の研究・技術連携における信頼性の高い座標系となっています。
例
1. カバーエリア-MapTiler。

2. ETRS-TM35FINの中心子午線は東経27度です。

関連座標系
Lambert-93
Greek Grid
S-JTSK / Krovak 東北投影
POSGAR 2007
参考
- https://epsg.io/3067
- https://spatialreference.org/ref/epsg/3067/
- https://dev.solita.fi/2017/12/12/gis-coordinate-systems.html