Roma40 (Rome 1940, EPSG:4806)
2026年01月06日 19:17

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概要

Roma40(Rome 1940、EPSG:4806)は、イタリアおよびその周辺地域(シチリア島、サルデーニャ島など)向けに設計された地域的かつ歴史的な測地基準(ジオデティック・データム)です。地心座標系には属さない伝統的な基準であり、1940年代から1990年代にかけて、イタリア国内の公式測量基準として使用されてきました。その主な目的は、当時の国家測量・地図作成における統一的な基準点を提供することにありました。

構成要素

Roma40 の構造は、地域限定型の伝統的測地基準としての特徴を明確に反映しています。

  1. 幾何学的枠組み:イタリア国内で構築された従来型の三角測量網を基盤としています。
  2. 数学モデル:International 1924 楕円体(国際1924楕円体)を採用しています。
  3. 「ジオイド中心」の設定:楕円体の原点は地球の質量中心ではなく、アペニン半島および周辺地域のジオイドに最も適合する位置に設定されています。
  4. 投影およびゾーニング:イタリア国内では通常、横メルカトル図法と併用され、複数の投影ゾーン(例:Italy Zone 1、Zone 2)に分割して使用されます。

長所

  1. 地域内での高精度:Roma40 はイタリア国内の三角測量網に基づく非地心データムであり、楕円体原点が国内に最適化されているため、イタリア半島および周辺地域では非常に高い適合精度を実現しました。衛星測位時代以前において、数十年にわたり高精度な国家測量を支えました。
  2. 国家的統一の達成:歴史的に、イタリア本土および主要島嶼部を含む全国規模で測地基準を統一し、地域ごとの基準混在を解消しました。これは国土図作成、インフラ整備、土地管理において極めて重要でした。
  3. 長期的な国家発展への貢献:約半世紀にわたり公式データムとして使用され、経済発展、都市計画、地理情報の蓄積を安定的に支えた点で、歴史的に代替不可能な役割を果たしました。

短所

  1. 技術的に陳腐化:非地心型データムであるため、WGS84 や ETRF89 などの現代的な衛星測位ベースの座標系と比較すると、数百メートル規模の系統誤差が生じます。そのため GNSS(GPS 等)データとの直接的な互換性はありません。
  2. 適用範囲が極めて限定的:Roma40 はイタリア専用に設計された国家データムであり、国外では実用的な意味を持ちません。
  3. 公式に廃止済み:1990年代以降、イタリア政府は ETRF89 を新たな国家標準として採用しており、Roma40 は法的・実務的の両面で明確に廃止されています。
  4. 変換処理が複雑で非標準的:現代の座標系への変換には単一の国際標準パラメータが存在せず、地域別の変換パラメータやグリッドモデルに依存します。不適切な処理を行うと、大きな誤差が発生する可能性があります。

応用シーン

Roma40(EPSG:4806)の中核的な利用目的は、20世紀中後期(おおよそ1940年代から1990年代)にイタリア国内で作成された歴史的地理データの取り扱いにあります。具体的には、当時の国家三角測量網に基づいて作成された紙地図、地籍資料、土木・建設図面、初期の GIS データベースなどの座標情報を正確に解釈・デジタル化・保存する作業に用いられます。これらのデータを ETRF89 や WGS84 などの現代的な地心座標系へ正確に変換することで、法的境界確認、歴史地理研究、都市発展分析、文化遺産保護といった分野において、現在の地理情報システムと統合して活用することが可能となります。

1. EPSG データベースに基づく当該座標参照系の適用範囲。

関連座標系

NAD27

Eckert IV

ED87

ロビンソン図法

参考

  1. https://spatialreference.org/ref/epsg/4806/
  2. https://epsg.io/4806