OpenStreetMap(OSM)
2025年11月20日 15:59
GISBoxは、OSGB/GEOTIFF/RVTなどの複数のGISフォーマットでの編集をサポートし、3DTiles/Terrainへの変換や公開が可能なワンストップ3DGIS データ編集、変換、公開プラットフォームです。
概要
OpenStreetMap(OSM)は、世界中のユーザーが協力して作成・更新するオープンソースの地図プロジェクトです。2004年にイギリスで始まり、現在では数百万人のボランティアが道路、建物、鉄道、河川、商業施設などの地理データを追加し続けています。Google Mapsなど商用地図とは異なり、誰でも自由にデータを利用・編集でき、ライセンス(ODbL)に基づいて無償で活用可能です。そのため、災害支援、研究、交通解析、アプリ開発など幅広い分野で利用されています。

データフォーマットの概要
OSMの構成は主に以下の要素から成り立っています:
- データモデル:ノード(座標点)、ウェイ(線や面)、リレーション(関係性)の3つの基本要素で地理オブジェクトを表現。
- データベース:PostgreSQL + PostGISを基盤とする大規模地理空間データベースで管理。
- 編集ツール:iDエディタ(ブラウザ上で動作)、JOSM(高機能デスクトップエディタ)、モバイル編集アプリなど。
- レンダリング:MapnikやCartoCSSを用いてタイルマップを生成。スタイルのカスタマイズも可能。
- API:OSM APIやOverpass APIを通じて、データの取得や検索が可能。
- コミュニティ基盤:ローカルマッピングイベント(Mapping Party)やHumanitarian OpenStreetMap Team(HOT)など国際的支援活動を展開。
長所
- 自由利用可能:ライセンスに基づき、商用・非商用を問わず無償で利用可能。
- 更新頻度が高い:ボランティアによる継続的な更新で、特定地域では商用地図以上に詳細。
- 柔軟なカスタマイズ:独自の地図スタイルや用途別データ抽出が容易。
- 災害対応力:地震や洪水時に世界中のボランティアが迅速にマッピングを行い、救援活動を支援。
- オープンコミュニティ:世界中のユーザーと協力でき、学術研究や市民参加型プロジェクトに最適。
短所
- 地域差のばらつき:都市部では詳細だが、人口の少ない地域ではデータ不足がある。
- 品質の不均一性:ボランティア作業のため、正確性や整合性が一定でない場合がある。
- 公式サポートの欠如:商用プロバイダーのような統一サポート体制が存在しない。
- 学習コスト:データ構造やタグ付けルールの理解が必要で、初心者にはやや難解。
- ライセンス制約:ODbLに基づくため、派生データ利用時には帰属や公開義務が生じる。
応用シーン
OpenStreetMapは、モバイルナビゲーション(例:OsmAnd、Maps.me)、物流・配車システム(ラストワンマイル配送ルート設計)、スマートシティ(都市インフラや交通流分析)、研究(都市計画や環境シミュレーション)、災害支援(被災地域の即時マッピング)、観光・アウトドアアプリ(登山ルート・自転車道の可視化)、さらにはゲーム開発(位置情報ゲームの地図基盤)など、多様な用途で活用されています。特に「自由・最新・カスタマイズ性」に強みを持つため、商用サービスの補完や代替としても注目されています。
例
1. OpenStreetMapのインタフェース。

2. OpenStreetMap 3D レイヤー。

ファイルの開き方
1. QGIS独自のOpenStreetMapベースマップレイヤー。

関連地図サービス
NASA Earthdata API
Sentinel Hub - ESA
TomTom Maps API
LandsatLook Viewer API
参考
- https://www.openstreetmap.org/#map=6/35.59/134.38
- https://live.osgeo.org/ja/quickstart/osm_quickstart.html
- https://blog.esrij.com/2022/09/22/post-45135/