CH1903 / LV03(スイス旧国家座標系 – EPSG:21781)
2025年11月05日 17:18
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概要
CH1903 / LV03(スイス旧国家座標系)は、スイスにおいて20世紀初頭から広く利用されてきた測地基盤で、EPSG:21781として定義されています。本座標系は、スイス国内の測量、地図作成、インフラ整備、都市計画などにおいて長年標準的に用いられてきました。CH1903は、Helmert楕円体を基盤とし、中央子午線7度26分22.5秒(ベルン子午線)を中心に据えた横メルカトル図法を採用しています。現在は新しいCH1903+ / LV95(EPSG:2056)が主流になりつつありますが、依然として多くの既存データや地図資産がCH1903 / LV03で保持されています。
構成要素
- 測地基準:Helmert楕円体に基づく。
- 投影法:横メルカトル図法(Transverse Mercator)。
- 基準原点:ベルン(緯度46°57′08.66″、経度7°26′22.50″)。
- 座標単位:メートル。
- 座標軸:X軸が北方向、Y軸が東方向。
長所
- 国内に最適化:スイス全土に適用できるよう設計されており、国土の範囲で高精度を維持。
- 長期利用による豊富な資産:過去100年以上にわたり膨大な地形図や測量成果がこの座標系で蓄積されている。
- 公共インフラでの実績:交通網、上下水道、都市計画など多岐にわたり利用され、標準化の役割を果たした。
- 運用の安定性:長年にわたる利用により、多くのシステムやソフトウェアが対応済み。
短所
- 測地基準の古さ:Helmert楕円体を基準とするため、GPSなどの最新測地技術との整合性に課題がある。
- グローバル互換性の不足:国際的に主流のWGS84などとの変換に補正が必要。
- 精度の制限:近代的な測位技術に比べると位置精度が劣るため、ミリメートルレベルの測量やGNSS応用には不向き。
- 後継系への移行課題:CH1903+ / LV95 への移行時に変換・補正作業が不可欠。
応用シーン
CH1903 / LV03は、長らくスイス国内における基盤座標系として、国土地理院地図、都市計画、交通インフラ、ダムやトンネル建設などの土木工事、森林・農業管理といった幅広い分野で利用されてきました。現在でも、多くの歴史的な測量データや既存の地理空間情報がこの座標系で保存されており、レガシーデータの利用や変換作業を行う場面で重要な役割を担っています。また、教育や研究の現場では、スイス測地学の歴史を理解するための教材としても位置づけられています。
例
1. カバーエリア-MapTiler。

2. CH1903 / LV03。

関連座標系
Lambert-93
Greek Grid
S-JTSK / Krovak 東北投影
TM35FIN
参考
- https://epsg.io/21781-1753
- https://av.tib.eu/media/35050
- https://www.swisstopo.admin.ch/en/transformations-3d-position