Lambert-93(ランベルト93 – EPSG:2154)
2025年11月04日 20:04
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概要
Lambert-93(ランベルト93)は、フランス本土における標準的な平面直交座標系であり、EPSG:2154として定義されています。本座標系は、フランスの地理情報基盤(Réseau Géodésique Français, RGF93)を基盤として構築されており、欧州測地基準ETRS89と互換性を持つのが特徴です。2001年以降、フランス国内の地理情報システム(GIS)、測量、都市計画、防災システムなどに広く採用され、従来使用されていた複数の地域ごとのランベルトゾーンを統合する形で導入されました。
構成要素
Lambert-93は、円錐正形図法(Lambert Conformal Conic, 2SP方式)を基盤とした投影法であり、フランス本土全域を一つの座標系で統一的に表現します。主な仕様は以下の通りです:
- 測地基準系:RGF93(ETRS89準拠)
- 投影法:Lambert Conformal Conic(2標準緯線方式)
- 標準緯線:44°Nおよび49°N
- 中央子午線:3°E(パリの東経基準)
- 原点緯度:46.5°N
- 単位:メートル
長所
- 全国統一性:フランス全土を単一の投影系でカバーでき、地域間のデータ統合が容易。
- 高い精度:ETRS89準拠の基準により、GNSS測量との互換性が高く、誤差が数センチ単位に収まる。
- GISへの最適化:大規模データ処理に対応し、行政・学術・民間分野で幅広く利用可能。
- ヨーロッパ標準との整合性:ETRS89との互換性により、EU域内の地理空間データ統合に適している。
短所
- 海外での適用制限:フランス本土専用であり、海外領土(DOM-TOM)では他の座標系が必要。
- 変換の複雑さ:旧来の座標系(Lambert Zone I–IVやNTF座標系)からの変換には、特定のパラメータや補正が必要。
- 局所精度の制限:極めて高精度な測地作業(ミリメートル単位)には、GNSS基準系での直接利用が推奨される場合がある。
応用シーン
Lambert-93は、フランス国内の多様な分野で利用されています。都市計画やインフラ整備では、建築図面や道路網データを正確に統合するために利用されます。防災分野では洪水リスクマップや地震被害想定図に活用され、迅速な危機管理を支援します。また、環境モニタリングや土地利用調査においても広く用いられ、農業管理、森林資源解析、気候変動影響評価などに役立っています。さらに、国土地理院に相当するフランス地理情報機関(IGN)の公式地図配信においても標準座標系として利用されており、行政から民間まで包括的に支えています。
例
1. フランス地図 ランベール-93-最高高度。

2. フランス地図ランベール93。

関連座標系
RSO91
POSGAR 2007
ETRS89-LAEA
NAD83(CSRS)
参考
- https://epsg.io/2154
- https://commons.wikimedia.org/wiki/File:France_map_Lambert-93-Maximum_altitude.svg
- https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:France_map_Lambert-93_with_rivers_and_regions-blank.svg