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メルカトル図法(Mercator Projection)は、16世紀にフランドルの地図製作者 Gerardus Mercator によって考案された代表的な円筒図法で、航海用途に特化した地図投影として広く利用されてきました。角度(方位)を正確に保持する「正角図法」であり、羅針線(方位線)が直線として描かれることから、航路の計画や航海術において重要な役割を果たしています。一方で、高緯度ほど面積が著しく拡大するため、世界地図の描写においては形状の歪みが大きくなるという特徴があります。
メルカトル図法は、地球を円筒に投影する幾何学的かつ数学的な手法に基づいており、以下のような特性と構成要素を持っています。
正角性(conformal):任意の点において角度が保持され、局所的な形状が保たれます。航海や航空の分野で等角航路を計画する際に最も重視される特性です。
赤道接円筒図法:投影面となる円筒は赤道に接する形で設定され、緯度が高くなるほど投影面上での拡大率が増加します。
経線・緯線の構造:
数式モデル:
緯度 φ を y 座標に変換する際、
y = R × ln( tan(π/4 + φ/2) )
という対数関数が用いられます。これにより高緯度地域の無限大方向への伸びが生じます。
投影の数学的背景:地球を球体または回転楕円体として扱い、正角性を保つ微分方程式に基づいて変換が行われます。GIS では楕円体版メルカトル(Web Mercator)も広く使用されています。
メルカトル図法は、長い歴史の中で航海図として欠かせない存在であり、現在でも多様な分野で広く利用されています。特にオンライン地図では Web Mercator として実装され、Google Maps、Bing Maps、ArcGIS Online などの主要サービスで標準的に採用されています。経緯線が直交する整然とした構造は、画面のスクロールやズームを前提とした地図配信と相性が良く、現代の Web ベース地図の基盤となっています。
1. 1569年にメルカトルが作成した地図。

2. 赤い円(テイソーの指示楕円)は、地球上の同じ大きさの円をメルカトル図法で投影したもの。
