POSGAR 2007(Posiciones Geodésicas Argentinas 2007 – EPSG:5342)
2025年11月04日 19:58
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概要
POSGAR 2007(Posiciones Geodésicas Argentinas 2007)は、アルゼンチンにおける国家大地基準であり、南米全域で導入が進められている国際的な測地参照系である SIRGAS(Sistema de Referencia Geocéntrico para las Américas) を基盤としています。EPSGコードは 5342 に登録されており、WGS84と互換性を持ちながらも、アルゼンチン国内の高精度測量や地理情報システム(GIS)利用のために最適化されています。POSGAR 2007は、GPS観測データの一元管理や地図作成、都市計画、土木インフラ整備など、幅広い地理空間情報利用における標準基準として機能しています。
構成要素
- POSGAR 2007は、測地基準系および投影法の仕様に基づいて定義されています。主な要素は以下の通りです:
- 測地基準系:SIRGAS 2000をベースとし、国際地球基準系(ITRF)の2005年版座標枠に整合。
- 楕円体:GRS80(Geodetic Reference System 1980)を使用。WGS84とほぼ同一の形状を持つ。
- 投影法:UTM(Universal Transverse Mercator)を採用し、アルゼンチン全土を対象にゾーン別に適用。
- 座標表現:緯度・経度(度単位)、およびメートル単位の平面直交座標系をサポート。
- EPSGコード:5342として国際的に登録され、GISソフトウェアや測量機器で直接利用可能。
長所
- 高精度:SIRGAS基盤により、GPS観測結果との整合性が非常に高く、数センチメートル単位の精度を実現可能。
- 国際互換性:WGS84やITRFと互換性があり、国際的なデータ交換や解析にも対応。
- 国家標準:アルゼンチン全土で統一された基準系として、測量・地図・GIS分野におけるデータの一貫性を保証。
- 持続性と拡張性:地殻変動などの要素を考慮した長期的な運用を想定して設計されており、将来の更新にも対応可能。
短所
- 導入コスト:従来のPOSGAR 1998など旧基準系からの変換作業が必要となり、既存データの移行コストが発生。
- 専門知識の必要性:測地学的な知識がないと、EPSGコードや座標変換処理の理解が難しい。
- 地域限定性:アルゼンチン国内向けに最適化されているため、国外での直接的利用価値は限定的。
応用シーン
POSGAR 2007は、アルゼンチン国内における地理空間データ利用の基盤として幅広く活用されています。都市計画やインフラ整備においては、道路網、鉄道、上下水道などの精密な位置情報管理に役立っています。また、防災分野では、洪水や地震リスクマッピングの際に高精度な位置参照が不可欠であり、POSGAR 2007が重要な役割を果たしています。さらに、農業や環境保護の分野では、リモートセンシングデータやGPS観測と組み合わせることで、資源管理や土地利用解析に応用されています。国際的には、SIRGASネットワークを通じて他の南米諸国と統合的な測地基準を共有し、地域全体の地理情報インフラ整備に貢献しています。
例
1. POSGAR 2007。

2. カバーエリア - MapTiler提供。

関連座標系
RSO91
GGRS87
ETRS89-LAEA
NAD83(CSRS)
参考
- http://www.bibliotecacpa.org.ar/greenstone/collect/otragr/index/assoc/HASH01c1.dir/doc.pdf
- https://epsg.io/5342
- https://www.ign.gob.ar/NuestrasActividades/Geodesia/Introduccion