アルバーズ正積円錐図法(Albers Equal-Area Conic Projection)
2025年12月10日 17:04
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概要
アルバーズ正積円錐図法(Albers Equal-Area Conic Projection)は、2 本の標準緯線を用いる正積図法です。1 本のみの標準緯線を使用する投影法と比べ、歪みをある程度抑えられる点が特徴です。主に中緯度の東西方向に広がる大陸規模の地域に適しており、アメリカ合衆国本土、ヨーロッパ、オーストラリアなどの地図で広く利用されています。
構成要素
- 中央経線(Central Meridian): 通常は東経 105° が設定され、投影の基準となる経度です。
- 標準緯線(Standard Parallels): 25°N と 47°N など 2 本の緯線が設定され、これらの緯線上では面積の歪みや長さの歪みが生じません。
- 偽東距・偽北距(False Easting / False Northing): 原点位置調整のため、どちらも 0.000000 に設定されます。
- 原点緯度(Latitude of Origin): 通常 0° とし、投影における基準緯度となります。
- 線単位(Linear Unit): メートルが使用されます。
長所
- 面積の正確性を保持: 完全な正積性を持つため、地理分布図・人口密度図など、面積が重要となる主題図に適しています。
- 中緯度域での歪みが小さい: 2 本の標準緯線を設定することで、その付近の地域では長さや面積の歪みがごく小さく抑えられます。
- 幅広い利用: 中国の中小縮尺地図(例:1:250,000 行政区画図・人口分布図)や、アメリカの国家地図にも広く採用されています。
短所
- 形状の歪み: 標準緯線から離れた高緯度では形状の歪みが大きくなります。
- 極域・赤道域には不向き: これらの地域では投影歪みが大きく、大縮尺地図には適しません。
- 等角性の欠如: 角度や方向を保持しないため、正確な方位が必要な用途には適用できません。
応用シーン
アルバーズ正積円錐図法は、面積を正しく表現する特性を持つため、中緯度地域の大縮尺主題図に特に適しています。行政区画図、人口分布図、地形図などでよく利用されており、例えば中国の地勢図では標準緯線を 25°N と 45°N に設定して採用されています。また、中国国内の中小縮尺地図(例:1:250,000 以下)では広く利用されており、国家水資源 1:250,000 空間データベースでは、中央経線を 110°E、標準緯線を 25°N・47°N とした投影が採用されています。2 本の割線標準緯線を用いることで、特に東西方向に広がる大陸の歪みを比較的一様に抑えることができます。
例
1. アルバーズ図法。

2. アルバーズ正積円錐図法。

関連座標系
UTM ゾーン
東京測地系
メルカトル図法
ロビンソン図法
参考
- https://en.wikipedia.org/wiki/Albers_projection
- https://pro.arcgis.com/en/pro-app/latest/help/mapping/properties/albers.htm
- https://support.esri.com/en-us/gis-dictionary/albers-equal-area-conic-projection