NZMG (New Zealand Map Grid – EPSG:27200)
2025年10月28日 15:13
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概要
ニュージーランド・マップ・グリッド(New Zealand Map Grid, NZMG) は、ニュージーランドで使用される投影座標系です。横メルカトル図法(Transverse Mercator projection)を基盤としており、ニュージーランド国内での地図作成および位置参照(ジオリファレンス)に広く利用されています。この座標系は、ニュージーランドの南島および北島を中心に地球表面を平面上に投影するもので、特定の中央子午線およびスケール係数を設定し、投影による歪みを最小化しています。測量、土木工学、土地管理などの分野で広く用いられており、座標値は通常メートル単位で表され、原点は南島付近に設定されています。
構成要素
- 投影の基本:横メルカトル図法に基づき、円筒面を地球表面に接するように配置して投影歪みを最小限に抑えています。
- パラメータ設定:中央子午線は 東経173度、スケール係数は 0.9996 に設定されています。さらに、東方向に 1,600,000メートル、北方向に 1,000,000メートル の偽原点(False Offsets)が設定されています。
- 原点の位置:原点はニュージーランド南島付近にあり、具体的には東方向1,600,000メートル、北方向1,000,000メートルの位置に置かれています。
- 参照楕円体:ニュージーランド1949測地系(New Zealand Geodetic Datum 1949)で定義された楕円体パラメータを使用しています。
長所
- 地域最適化設計:横メルカトル図法に基づき、中央子午線(173°E)およびスケール係数(0.9996)がニュージーランドの地形(南島・北島)に最適化されており、投影歪みを大幅に低減しています。
- 工学的な実用性:偽原点(東方向1,600,000m、北方向1,000,000m)を設定することで、全ての座標値が正の値となり、測量・地図作成・土地管理における計算や注記が簡便になります。
- 一貫性の確保:ニュージーランド1949測地系に基づく楕円体パラメータを採用しているため、過去の測量・地図データと高い互換性を持ち、複数座標系間の変換による誤差を回避できます。
短所
- 地域限定性:ニュージーランド専用に設計されているため、他地域では使用に適しません。国際共同プロジェクトやグローバルなデータ利用の際には、UTMなどの汎用座標系への変換が必要です。
- 汎用性の欠如:UTM座標系のようなゾーン区分機構を持たないため、ニュージーランド以外の拡張利用には不向きです。
- 変換の複雑さ:他の座標系との間で使用する際には、専用のツールやソフトウェアによる変換が必要であり、特に高精度測量や地図作成では誤差発生のリスクに注意が求められます。
応用シーン
NZMG(New Zealand Map Grid)座標系 は、ニュージーランド国内の測量、土地管理、土木工事プロジェクトにおいて主に使用されています。この座標系は、中央子午線を173°Eとする横メルカトル図法および偽原点(東1,600,000m/北1,000,000m)の設計により、南島・北島の地形特性に最適化されており、ニュージーランドの地籍測量、土地登記、インフラ開発の基盤座標系として機能しています。
たとえば、土地管理では地籍境界線の正確な区分に利用され、土木工事分野では道路や橋梁の施工測量において基準座標として用いられます。また、メートル単位での表記により、計算処理が容易であり、ローカルな工学・測量作業における実用性が高い座標系です。一方で、NZMGはUTMなどの国際座標系に比べて汎用性に劣るものの、ニュージーランド特有の地理条件に合わせた設計により、国内利用においてはより正確かつ実務的な成果を提供します。
例
- ニュージーランド・マップ・グリッド(EPSG:27200)


2. New Zealand Map Grid(EPSG:27200)


関連座標系
NAD83
ITRF2020
測地座標系2002
GPS座標系
参考
- https://epsg.io/map#srs=27200-8563&x=6937172704.053008&y=3789748052.964248&z=2&layer=streets
- https://proj.org/en/stable/operations/projections/nzmg.html