ランベルト正角円錐図法(Lambert Conformal Conic | EPSG:複数のリージョンコード)
2025年11月04日 19:29

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概要

ランベルト正角円錐図法(Lambert Conformal Conic projection) は、円錐を地球に接触させるように配置し、その円錐面に地球の表面を投影する「円錐図法」の一種です。特に**緯度の差が小さく、経度の広がりが大きい地域(東西に広い地域)**に適しており、航空図・気象図・国家基準座標系などに広く使われています。フランスやアメリカ、日本の一部でもこの投影法が採用されており、EPSGコードは使用地域によって異なります(例:フランス本土ではEPSG:2154、アメリカNAD83ではEPSG:321xx系など)。

構成要素

ランベルト正角円錐図法は、以下の要素から構成されます:

  1. 基準緯線(標準緯線):1本または2本(一般に2本使用)。この緯線上では歪みが最小です。
  2. 中央経線(中央子午線):投影の中心とする経度。
  3. 原点の緯度:座標系の縦の中心位置を決定します。
  4. 偽東距 / 偽北距(False Easting/Northing):座標原点を調整するための値。
  5. 楕円体情報:通常はGRS80やWGS84などの地球楕円体が使用されます。

長所

  1. 正角(角度保持)投影であるため、小範囲の地図では形状の正確性が高い
  2. 東西に広い国土(例:アメリカ本土、フランス、日本の本州など)に適している
  3. 緯線方向での縮尺誤差を抑えられ、航空・気象用途にも最適
  4. 基準緯線上の歪みが最小で、地域全体に対して安定した精度が得られる

短所

  1. 南北に長いエリアには適さない(高緯度・低緯度差が大きい地域では歪みが増加)
  2. 楕円体の影響やパラメータ設定により、適切な設計をしないと精度が低下する
  3. 投影法がやや複雑なため、GISソフトウェアでの設定ミスによるズレが起きやすい

応用シーン

ランベルト正角円錐図法は、その特性から航空図、気象図、地理院地図、都市計画、インフラ管理など、広域かつ比較的東西に広がる地域の地図作成に広く使用されています。たとえば、アメリカ合衆国ではNAD83に基づいた州単位の座標系(例:NAD83 / California Zoneなど)に採用されており、フランス本土ではRGF93 / Lambert-93(EPSG:2154)という国家座標系として使われています。日本でも国土地理院の一部業務や国際的な気象データ処理で利用される場面があります。特に形状の正確性が求められる航空管制、気象予測、地図印刷などの分野で、その効果を最大限に発揮します。

1. 2標準緯線型のランベルト正角円錐図法。


2. 標準緯線を北緯20°及び北緯50°に設定したランベルト正角円錐図法。

関連座標系

Korea 2000

SAD69

DGN95

CH1903

参考

  1. https://pro.arcgis.com/ja/pro-app/3.3/help/mapping/properties/lambert-conformal-conic.htm
  2. https://atlas.cdx.jp/projection/prj25.htm
  3. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88%E6%AD%A3%E8%A7%92%E5%86%86%E9%8C%90%E5%9B%B3%E6%B3%95