ETRS89-LAEA(European Terrestrial Reference System 1989 – EPSG:3035)
2025年11月04日 19:33
GISBoxは、OSGB/GEOTIFF/RVTなどの複数のGISフォーマットでの編集をサポートし、3DTiles/Terrainへの変換や公開が可能なワンストップ3DGIS データ編集、変換、公開プラットフォームです。
概要
ETRS89-LAEA(European Terrestrial Reference System 1989 – Lambert Azimuthal Equal Area projection) は、ヨーロッパ全域を対象とした地理情報処理向けの投影座標系です。EPSGコードは3035で、主に環境モニタリングや統計データの地理的可視化を目的として、欧州環境機関(EEA)やEurostat(EU統計局)によって広く採用されています。この座標系は、ヨーロッパにおける面積の正確な比較・集約を可能にするために設計されたものであり、特に大域的な土地利用・環境解析・人口統計処理など、広域にわたる分析において高い有用性を持ちます。
構成要素
- 基準座標系(Geodetic Datum):ETRS89(European Terrestrial Reference System 1989)
- 投影法(Projection Method):Lambert Azimuthal Equal Area(ランベルト方位等積図法)
- 中心経緯度:北緯52度、東経10度(ヨーロッパ中心)
- 単位:メートル(平面直交座標)
- 対象地域:EU全域を含むヨーロッパ大陸
長所
- 面積を正確に表現できるため、土地利用、植生、人口密度などの統計・解析に最適
- 広域でも歪みが最小限に抑えられており、EU圏全体でのデータ整合性が高い
- EurostatやINSPIRE(EUの空間情報インフラ)における公式座標系として標準採用されている
短所
- 地図の見た目(図形の形状や距離)の直感的な把握が難しい場合がある
- ヨーロッパ外では実用性が低く、グローバル用途には向かない
- 一部のGISソフトでサポートが限定的な場合があり、変換処理が必要になることもある
応用シーン
ETRS89-LAEA(EPSG:3035)は、ヨーロッパ地域全体を対象とする空間統計処理や環境モニタリングに最適な座標系です。例えば、EU各国の土地利用統計、温室効果ガス排出量、自然保護区の可視化など、広域にわたる環境・社会データの比較・統合分析において不可欠な役割を果たします。また、欧州連合(EU)関連の政策立案や報告業務において、複数国にまたがる統一的な地理表現が求められる場合にも頻繁に使用されます。環境分野ではCORINE Land Cover(CLC)プロジェクト、都市分野ではUrban Atlasなど、多くの欧州公式GISデータがこの座標系で提供されています。
例
1. 位置マップ(ETRS89/LAEA 投影)。

2. ETRS89-LAEA 座標参照システムの範囲 (出典: QGIS スクリーンショット)。

関連座標系
Korea 2000
SAD69
DGN95
ランベルト正角円錐図法
参考
- https://www.researchgate.net/figure/A-Location-map-ETRS89-LAEA-projection-and-coverage-of-the-61-IRS-AWiFS-scene-dataset_fig3_258710415
- https://www.researchgate.net/figure/Coverage-of-the-ETRS89-LAEA-coordinate-reference-system-source-QGIS-screenshot_fig2_360494201
- https://en.wikipedia.org/wiki/European_grid