Mapillary Vector Tiles API
2025年11月24日 16:15

GISBoxは、OSGB/GEOTIFF/RVTなどの複数のGISフォーマットでの編集をサポートし、3DTiles/Terrainへの変換や公開が可能なワンストップ3DGIS データ編集、変換、公開プラットフォームです。

概要

Mapillary Vector Tiles API(マピラリー・ベクタ・タイルズAPI) は、構造化されたベクタ地図データを提供するインターフェースであり、効率的に転送可能な「タイル(切片)」形式で、Mapillaryプラットフォームが収集した現実世界のオブジェクト情報(道路標示、交通標識、車線、道路形状など)の地理的位置および属性データを開発者に提供します。開発者はこれらの高精度なベクタデータを利用して、拡張現実(AR)ナビゲーション、詳細な地図解析、インフラ管理ツールなどのアプリケーションを構築することができます。

データフォーマットの概要

Mapillary Vector Tiles API のファイル構造は、ベクタタイル技術仕様に基づいて設計されており、主に以下の要素で構成されています:

  1. タイル階層構造:標準的な TMS/XYZ 規格 に従い、地球表面をズームレベル(zoom level)ごとに256×256ピクセルの正方形タイルに分割します。
  2. レイヤー定義:各タイルには、異なる地理要素を分類・格納する複数の**レイヤー(Layer)**が含まれます。
  3. フィーチャとジオメトリデータ:ベクタタイルの中核はフィーチャ(Feature)であり、各フィーチャには点・線・面などの幾何形状と属性データが含まれます。座標はデルタ符号化により効率的に格納され、属性はキーと値のペアとして保持され、要素レベルでのインタラクションやフィルタリングをサポートします。
  4. メタデータ拡張:タイルヘッダにはバージョン番号、座標系(通常は Web Mercator)、タイル境界範囲などのメタデータが含まれます。実装によっては、データソースや処理タイムスタンプなどのカスタムメタデータが追加される場合もあります。
  5. 動的スタイル対応:ラスタタイルと異なり、ベクタタイルはクライアント側でスタイルルールを動的に適用できる構造を持ちます。スタイルは属性にバインドされ、同一タイルで複数テーマの可視化が可能です。

長所

  1. ストリートビューとの深い統合:Mapillary API の最大の強みは、世界中のユーザーが投稿したストリートビュー画像をベクタタイル層と直接リンクできる点にあります。
  2. リアルタイム更新メカニズム:コミュニティ貢献型のデータ更新モデルを採用しており、ベクタタイルサービスが現実世界の変化を迅速に反映します。公式ドキュメントによれば、一部地域では数時間単位で更新され、従来の地図サービス(週/月単位)を大きく上回る頻度です。
  3. クライアント側の柔軟なスタイリングMapbox Vector Tile 規格に準拠しており、クライアントで動的にレイヤーのスタイルを変更可能です。

短所

  1. データの地域偏り:コミュニティ貢献に依存しているため、データの分布には地域的な偏りが見られます。
  2. 商用利用の制限:無料APIには厳格な使用制限(例:月間50万リクエストまで)があり、それを超える場合は企業ライセンス契約が必要です。
  3. 技術的複雑性の高さ:開発者は、ベクタタイルと画像データストリームを同時に扱い、要素と画像の関連付けロジックを構築する必要があります。

応用シーン

Mapillary Vector Tiles API の応用分野は、ストリートビューとベクタデータを組み合わせた垂直分野向けアプリケーションに集中しています。具体的には、スマートシティ管理、交通インフラ点検、自動運転試験、ARナビゲーションなどが代表例です。ストリートビューとベクタ要素の連携機能により、例えば道路要素をクリックすると対応する位置の街景画像を自動表示でき、交通管理や都市インフラ点検において大きな利点があります。また、リアルタイム更新機構によって現実の変化を即座に反映できるため、災害対応やリアルタイムナビゲーションなど動的データを必要とする分野にも適しています。さらに、クライアント側での柔軟なスタイル設定により、業種別のカスタム可視化も容易に実現できます。

1. MapTilerを用いたカスタム地図のWeb表示例。


2. ベクタタイルAPIと Leaflet.VectorGrid の統合表示例。

ファイルの開き方

1. ベクタマップを利用して、ダブリン市中心部の画像カバレッジを可視化します。

関連地図サービス

Mapillary API

OpenStreetCam

QGIS Cloud

Naver Maps API

参考

  1. https://docs.maptiler.com/sdk-js/examples/custom-map/
  2. https://forum.mapillary.com/t/vector-tiles-integration-with-leaflet/5428
  3. https://blog.mapillary.com/update/2021/06/23/getting-started-with-the-new-mapillary-api-v4.html