アルマジロ図法(Armadillo Projection)
2025年12月18日 16:05

GISBoxは、OSGB/GEOTIFF/RVTなどの複数のGISフォーマットでの編集をサポートし、3DTiles/Terrainへの変換や公開が可能なワンストップ3DGIS データ編集、変換、公開プラットフォームです。

概要

アルマジロ図法(Armadillo Projection)は、地球全体を一枚の平面上に視覚的に印象深く表現するために設計された、比較的新しい世界地図用投影法です。幾何学的な正確さよりも視覚的連続性と芸術性を重視しており、地球を包み込むような独特の形状が特徴です。主に教育用途、デザイン、可視化表現を目的として利用され、地理情報の新しい見せ方を提示する投影法として知られています。

オーバービュー

アルマジロ図法はファイル形式やデータ構造を持つものではなく、数学的定義に基づく地図投影法であるため、以下のような理論的要素によって構成されます。

  • 基準球(Reference Sphere): 地球を理想的な球体として扱い、経度・緯度を投影計算の基礎とします。
  • 投影中心と変換関数: 地球表面上の座標を平面上へ変換するための非線形な数式群により、連続した形状を保ちながら展開されます。
  • 境界形状定義: 投影結果は長方形や円形ではなく、アルマジロの甲羅を思わせる有機的な外形を持ちます。
  • 歪み分配モデル: 面積・距離・角度の歪みを特定地域に集中させず、全体に分散させる設計思想が採用されています。
  • 中央領域の強調: 投影の中心付近では視覚的な連続性が高く、世界のつながりを直感的に把握しやすくなっています。

長所

  1. 非常に高い視覚的インパクト: 一般的な世界地図とは大きく異なる形状のため、閲覧者の注意を強く引き、地理への興味を喚起します。
  2. 大陸間の連続性を直感的に表現: 海洋や大陸が途切れにくく配置され、地球全体のつながりを一体的に把握できます。
  3. 教育・可視化用途に適する: 正確性より理解や発想を重視する場面で、地理概念を柔軟に伝えることができます。
  4. 芸術・デザインとの親和性: 地図を情報媒体としてだけでなく、視覚表現として扱う際に強みを発揮します。
  5. 従来投影法への問題提起: メルカトル図法など既存の世界観に対し、新しい視点を提供します。

短所

  1. 測量・解析用途には不向き: 面積、距離、角度のいずれも厳密には保持されないため、定量的解析には適していません。
  2. 標準EPSGコードを持たない: 一般的なGISソフトウェアでの標準サポートがなく、カスタム実装が必要になります。
  3. 歪みの性質が直感的でない: 専門知識がないと、どの地域がどの程度歪んでいるかを理解しにくい場合があります。
  4. 印刷や分割表示に不向き: 非矩形形状のため、ページ分割やタイル化が難しいという制約があります。
  5. 実務利用の事例が少ない: 主に実験的・表現的用途に限られ、行政や工学分野での採用例はほとんどありません。

応用シーン

アルマジロ図法は、地理教育、展示用パネル、書籍やウェブにおける世界地図のビジュアル表現など、情報の正確な測定よりも「地球全体をどう見せるか」が重視される場面で活用されます。特に、従来の世界地図に慣れた閲覧者に新鮮な視点を与え、地理的固定観念を揺さぶる目的に適しています。また、データ可視化やアートプロジェクトにおいて、地理情報とデザインを融合させる試みの中で象徴的に用いられることもあります。

1. 世界のライスアルマジロ投影。

2. ハンガリーのエンジニア Erwin Raisz が発明した Armadillo 図法は、3D の地球儀を紙の上に描く創造的で美しいソリューションです。

関連 GIS 投影

バルサート円柱投影

ボッグス等形投影

ベールマン図法

エイトフ図法

参考

  1. https://en.wikipedia.org/wiki/Armadillo_projection
  2. https://www.wired.com/2014/01/projection-raisz-armadillo/
  3. https://kotobank.jp/word/%E3%81%82%E3%82%8B%E3%81%BE%E3%81%98%E3%82%8D%E5%9B%B3%E6%B3%95-28697