DGN(MicroStationネイティブ形式)
2025年11月17日 17:04

GISBoxは、OSGB/GEOTIFF/RVTなどの複数のGISフォーマットでの編集をサポートし、3DTiles/Terrainへの変換や公開が可能なワンストップ3DGIS データ編集、変換、公開プラットフォームです。

概要

DGN(MicroStationネイティブ形式) は、Microsoft OLE2 ファイル形式を基盤として開発された CAD ファイル形式で、主に 3D/BIM/GIS 分野 で利用されています。Bentley Systems によって開発された形式であり、設計データの記録・交換を目的とし、豊富なデータモデルと多層描画機能を備えています。また、複数のプラットフォームで動作する柔軟性も特徴です。

データフォーマットの概要

DGN(MicroStationネイティブ形式)のファイル構造は、主に以下の要素で構成されています:

  1. ファイルヘッダ:ファイルの最初のブロックであり、ファイルタイプ、ブロック長、バージョン番号など、すべてのファイル属性・設定情報を含みます。
  2. ファイル本体:図面情報や図形オブジェクトが格納される部分です。DGN ファイルでは、全体の図面を複数のブロックに分割し、それぞれのブロックにテキスト、線、円、多角形、3D モデルなどのエンティティが格納されます。
  3. ファイルフッタ:ファイル終了マークや補助情報が含まれる部分です。

長所

  1. 長期的な互換性:DGN ファイル形式は 15〜20 年に及ぶ長いライフサイクルを持ち、ソフトウェアのバージョンアップがあってもファイルへのアクセスが損なわれず、長期的なデータ利用を保証します。
  2. 効率的な保存と処理:バイナリ形式で構造がコンパクトなため、交通・エネルギー・水利など大規模インフラプロジェクトのデータを高効率で処理できます。
  3. 複雑なエンジニアリングニーズへの対応:建築・道路・橋梁などの大規模プロジェクトにおいて、一般的な DWG 形式より優れた性能を発揮し、パラメトリックモデリングやライフサイクルデータ伝達に対応します。
  4. 複数バージョンのサポート:V7、V8、DGN v8i、DGN v8 xm など多様なバージョンが提供されており、様々な技術要求に対応できます。
  5. モデル単位での管理:「Model」コンセプトにより、工程内容をブロックごとに整理でき、独立した操作や属性設定が可能です。

短所

  1. 適用範囲が限定的:DWG のような汎用形式と比較すると、DGN は建築分野での普及率が低く、主にインフラ関連プロジェクトに集中しています。
  2. バージョン互換性の制約:高バージョンで作成された DGN ファイルは、低バージョンのソフトでは直接開けない場合があり、変換ツールが必要です。
  3. エコシステム依存:Bentley 製品(MicroStation、PowerCivil など)への依存度が高く、異種ソフト間の協業には IFC などの中間形式が求められます。

応用シーン

DGN(MicroStationネイティブ形式)は、交通・エネルギー・水利などの インフラプロジェクトのモデリング・設計 に広く使用されています。バイナリベースのコンパクトな構造により、大規模な工学データを効率的に取り扱うことができ、精密な幾何形状の表現に優れています。施工段階では、DGN モデルが干渉チェックや予算最適化に活用され、たとえば Leighton Chun 工事では MicroStation により約 12% のコスト削減が実現しました。また、DGN 形式は共通プラットフォームとして、技術者・測量士など多職種協働にも適しています。

1. MicroStation による DGN 形式の表示例。

ファイルの開き方

1. MicroStation では、DGN ファイルを DWG 形式へ変換することが可能です。

関連 GIS ファイル

OVR

JPEG 2000

NTF

DBF

参考

  1. https://baijiahao.baidu.com/s?id=1767290483526436217&wfr=spider&for=pc
  2. http://www.mdlapps.com/microstation.htm
  3. http://www.bimant.com/docs/3dformat/DGN/