BSB(航海図ラスターフォーマット)
2026年03月05日 14:06

GISBoxは、OSGB/GEOTIFF/RVTなどの複数のGISフォーマットでの編集をサポートし、3DTiles/Terrainへの変換や公開が可能なワンストップ3DGIS データ編集、変換、公開プラットフォームです。

概要

BSB(航海図ラスターフォーマット)は、主に電子海図(Raster Navigational Chart, RNC)を保存・配布するために使用されるラスターデータ形式です。もともとは海図配信のために開発され、現在では各国の水路機関が発行する公式ラスター航海図の標準的な配布形式の一つとなっています。BSB形式は、紙海図をスキャンした画像データに地理参照情報を付加し、航行支援ソフトウェア上で正確な位置表示を可能にします。海上ナビゲーション用途に特化して設計されている点が特徴です。

データフォーマットの概要

BSB形式のデータセットは、主に以下のファイルおよび情報要素で構成されます。

  1. .KAP ファイル(ラスターデータ本体):航海図画像そのものを格納する主要ファイルです。画像データは圧縮形式で保存され、内部に地理参照情報が含まれています。
  2. ヘッダー情報(KAP内部):画像サイズ、解像度、測地基準、投影法、座標変換パラメータなどのメタデータがテキスト形式で記述されています。
  3. 地理参照パラメータ:画像上の基準点(コントロールポイント)と緯度経度座標を対応付ける情報を保持し、正確な位置表示を可能にします。
  4. カラーパレット情報:航海図特有の色分け(浅瀬、航路標識、危険区域など)を定義するパレットデータが含まれます。
  5. 付属メタデータファイル(場合による):発行機関、版数、更新日などの情報を別途管理する場合があります。

長所

  1. 航海用途に最適化:公式水路機関が発行する紙海図と同一の視覚表現を保持できるため、従来の航海実務との整合性が高い形式です。
  2. 広範な対応ソフトウェア:多くの海洋ナビゲーションソフトやECDIS互換システムでサポートされています。
  3. 軽量な圧縮構造:効率的な画像圧縮により、比較的軽量なファイルサイズで配布可能です。
  4. 地理参照情報を内包:画像と位置情報が一体化しているため、別途ワールドファイルを必要としません。
  5. 公式データとしての信頼性:各国水路機関による正式発行データとして利用されるため、航海安全性の観点で信頼性が高いです。

短所

  1. ラスターデータのため拡張性が低い:ベクター海図(ENC)と異なり、属性情報の動的取得やレイヤー制御ができません。
  2. 高解像度時の容量増大:解像度が高くなるとファイルサイズが増大し、表示パフォーマンスに影響することがあります。
  3. 編集性が低い:画像ベースであるため、地物の個別編集や属性更新には不向きです。
  4. GIS解析用途には限定的:空間解析や高度な地理情報処理には適しておらず、主用途は表示とナビゲーションに限定されます。
  5. 更新管理が必要:改版時には新しいファイルへ差し替える必要があり、リアルタイム更新には向いていません。

応用シーン

BSB(航海図ラスターフォーマット)は、主に海上ナビゲーションや沿岸航行支援システムにおいて利用されます。公式ラスター航海図として、プレジャーボートから商船まで幅広い船舶で使用され、電子海図表示システム上で自船位置を正確に重ね合わせる用途に適しています。また、海洋教育、港湾管理、沿岸監視などの分野でも活用されています。紙海図の視覚表現をそのまま保持できるため、従来の航海実務との連続性を保ちつつデジタル化を実現できる点が大きな特徴です。

1. 電子海図の各種フォーマットの例。

ファイルの開き方

1. ラスター海図の例。

関連 GIS ファイル

GXT

DRG

TER

RLA

参考

https://pro.arcgis.com/ja/pro-app/3.4/help/data/imagery/supported-raster-dataset-file-formats.htm

https://iho.int/uploads/user/pubs/standards/s-66/S-66_Edition%201.1.0_JP.pdf

https://desktop.arcgis.com/ja/arcmap/latest/manage-data/raster-and-images/how-raster-data-is-stored-and-managed.htm