LAS/LAZ(LiDAR点群フォーマット)
2025年11月19日 15:06

GISBoxは、OSGB/GEOTIFF/RVTなどの複数のGISフォーマットでの編集をサポートし、3DTiles/Terrainへの変換や公開が可能なワンストップ3DGIS データ編集、変換、公開プラットフォームです。

概要

LAS/LAZ(LiDAR点群フォーマット) は、レーザー測量(LiDAR)で取得した三次元点群データを保存するための標準フォーマットで、ASPRS(米国写真測量・リモートセンシング学会) によって制定されています。LAS はバイナリ形式で、各点の 三次元座標(X, Y, Z)・強度・反射回数・分類情報 などを保持します。LAZ は LAS を効率的に圧縮した形式で、データ精度を保ちながらファイルサイズを大幅に削減できる点が特徴です。

データフォーマットの概要

LAS/LAZ(LiDAR点群フォーマット)のファイル構造は、主に以下の要素で構成されています。

  1. ファイルヘッダ:ファイル署名("LASF")、バージョン情報、点データ記録フォーマット、座標参照系(WKT または GeoTIFF タグ)、空間範囲(X/Y/Z の最小値・最大値)、点群数などのメタデータを格納します。
  2. 可変長レコード(VLR):投影パラメータ、センサー情報、カスタムメタデータなど、拡張情報を保持する領域です。
  3. 点データレコード:各点の座標、強度、反射情報(リターン番号)、分類コードなどの属性が格納されます。

長所

  1. 点群情報を完全に保持:位置、強度、反射回数、分類など LiDAR 特有の属性を保持し、データの完全性が確保されます。
  2. 標準化され互換性が高い:ASPRS が制定した標準フォーマットであり、異なるハードウェア・ソフトウェア間でのデータ交換が容易です。
  3. 高効率圧縮(LAZ):LAZ は LAS を無損失で圧縮した形式で、保存容量を大幅に削減できます。
  4. 業界で広く採用:地形測量、都市モデル作成、電力設備点検など多様な分野で標準的に利用されています。

短所

  1. ファイルサイズが大きい:未圧縮の LAS はデータ量が非常に大きく、保存や転送に負荷がかかります。
  2. 専門ソフトが必要:解析・可視化には GIS や点群処理ツール(GISBox、PCL など)が必要で、一般ユーザーには扱いが難しい形式です。
  3. Web 利用時の変換コスト:3D Tiles など Web 用の軽量フォーマットに変換する必要があり、その工程が複雑です。

応用シーン

LAS/LAZ は LiDAR 点群データの標準フォーマットとして、GIS のさまざまな主要分野で利用されています。地形測量では、高精度DEM・DSM の生成に活用され、都市計画では3D都市モデル構築・インフラ管理を支援します。森林資源調査では、森林構造分析、生物量推定、環境モニタリングなどに利用されます。さらに、災害評価(洪水・地震後の地形変化解析)、文化遺産保全(歴史建造物の3Dスキャンとデジタル保存)、自動運転分野では障害物認識や高精度地図作成にも用いられます。標準化と拡張性の高さから、LAS/LAZ は業種を超えた点群データ交換の重要な基盤となっています。

1. LAS/LAZ 点群データの可視化例。

ファイルの開き方

1. LiDAR 点群を用いた地形の三次元モデリング。

2. GISBox を使った点群タイル化(スライシング)。

関連 GIS ファイル

USGSDEM

SAIF

NITF

DTED

参考

  1. https://www.sohu.com/a/846269513_121373611
  2. https://mbd.baidu.com/newspage/data/dtlandingsuper?nid=dt_5529580750202593363
  3. https://jishuzhan.net/article/1876999982658097153