キューブ図法(Cube Projection)
2025年10月24日 15:31
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概要
キューブ図法とは、地球の球体表面を6つの正方形(キューブの各面)に分割し、それぞれを展開して平面上に投影する手法です。主に3Dグラフィックス、仮想現実(VR)、天球パノラマ、そして一部のGIS(地理情報システム)で用いられ、球状データを効率よく2Dにマッピングする手法の一つとして知られています。キューブマップとも呼ばれ、立体的な環境表現に優れた利点を持ちます。
オーバービュー
キューブ図法は、地球を中心に6つの視点(上・下・前・後・左・右)から撮影・計算するイメージで、地表を立方体の6面に分割し、それぞれを正方形の投影面として扱います。これにより、以下のような特徴があります:
- 各面が正方形のため、テクスチャとして扱いやすく、画像処理やGPU最適化が容易。
- メルカトル図法などの他の図法に比べ、極域での歪みが非常に少ない。
- 全体を均等な解像度で表現でき、特に全天球やグローバルデータの均質処理に適している。
- 各面はそれぞれ独立して処理できるため、並列処理やストリーミングにも向いている。
長所
- 極域の歪みが少ない:多くの地図投影法が抱える極域の引き伸ばし問題がほとんど発生しない。
- 均等解像度:地表全体にわたって均等なピクセル密度を保てるため、画像解析や機械学習にも向いている。
- GPU最適化に優れる:キューブマップとしてグラフィックボードで高速処理が可能。
- 高い汎用性:パノラマ映像、気象可視化、宇宙シミュレーションなど多様な分野で活用可能。
短所
- 分割による継ぎ目処理が必要:6面の境界部で連続性の処理(シームレス化)が必要になる。
- 従来のGISとの親和性がやや低い:伝統的な地理投影法に比べて、経緯度との直接的な対応がやや複雑。
- 視認性が低い場合も:地図としての直感的な理解には適さないこともある(特に一般利用者にとって)。
応用シーン
キューブ図法は、主に全天球のパノラマ映像や仮想空間の環境マッピングに活用されており、リアルタイムレンダリングを必要とするゲームエンジンやVR空間の背景処理に不可欠です。また、地球全体の気象シミュレーションや海洋・大気データの可視化など、極域を含むデータを高精度かつ均一に処理する必要がある分野においても有効です。さらに、衛星画像の等解像度処理やグローバルWebGIS表示にも応用が広がってきています。
例
- キューブ マップ投影は、立方体に折りたたむことができます。

- 地球モデル上の四辺形球面立方体投影の開発。

関連 GIS 投影
正距円錐図法
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参考
- https://pro.arcgis.com/en/pro-app/latest/help/mapping/properties/cube.htm
- https://en.wikipedia.org/wiki/Quadrilateralized_spherical_cube
- https://desktop.arcgis.com/ja/arcmap/latest/map/projections/cube.htm