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ワグナーIV投影(Wagner IV Projection) は、ドイツの地理学者 カール・ワグナー(Karl Heinrich Wagner) によって 1932 年に提案された擬円筒図法(pseudocylindrical projection) の一種です。この投影法は、面積を等しく保つ等積投影(equal-area projection) でありながら、形の歪みをできるだけ抑えるように設計されています。モルワイデ投影(Mollweide Projection)やグード同積図法(Goode’s Homolosine Projection)に似ていますが、より滑らかで視覚的にバランスの取れた地図表現を提供します。主に世界全図の描写に用いられ、教育・地理学・地図出版などで広く使用されています。
ワグナーIV投影は擬円筒図法に属し、中央経線を直線として保持し、緯線は平行な曲線として描かれます。投影面は球面を水平方向に引き伸ばしながら、面積を保つように設計されています。この投影は、モルワイデ投影とボンヌ投影の中間的性質を持ち、地球表面を滑らかに再現します。赤道付近では形の歪みが少なく、高緯度地域では形がやや横に引き伸ばされますが、極点付近の変形も比較的抑えられています。
ワグナーIV投影は、世界全図の表示に最も適しています。面積が等しく、形状のバランスも良いため、地理教育・世界地図帳・国際統計地図などで理想的な選択肢とされています。特に、モルワイデ投影よりも自然な外観を重視する場合によく採用されます。また、地球環境分布図・人口密度図・気候帯図など、面積が重要な意味を持つテーママップ(thematic map)に広く利用されます。視覚的な滑らかさとデザイン性の高さから、現代のデジタル地図表示やインフォグラフィックスでも採用されることがあります。
1. グリニッジを中心にしたワグナー図法 (第 4 図法) による地図投影を示します。

2. ワグナー図法 (第 4 図法) による地図投影。
