3DTiles(Cesium標準)
2025年11月18日 15:56

GISBoxは、OSGB/GEOTIFF/RVTなどの複数のGISフォーマットでの編集をサポートし、3DTiles/Terrainへの変換や公開が可能なワンストップ3DGIS データ編集、変換、公開プラットフォームです。

概要

3DTiles(Cesium標準) は、大規模な三次元地理空間データを Web 上でストリーミング配信・可視化するためのオープン規格であり、Cesium チームによって提案され、現在は OGC(Open Geospatial Consortium) の候補標準となっています。デジタルツイン都市、スマートキャンパス、地質探査など幅広い分野で利用されており、その核心理念は HLOD(階層的詳細度:Hierarchical Level of Detail) に基づくデータ構造です。空間分割アルゴリズムを用いて三次元モデルを多解像度タイルに分割し、視錐台に応じてタイルを動的に読み込むことで、従来のブラウザ表示で問題となっていた「大規模3Dモデルのメモリ圧迫」や「描画遅延」を解決します。

データフォーマットの概要

3DTiles(Cesium標準)のファイル構造は主に次の要素から構成されます:

  1. タイルセット(Tileset):3DTiles 全体を管理する最上位の単位であり、tileset.json によってデータセット全体のメタ情報や空間階層構造が記述されます。
  2. 補助ファイル:タイルの管理・描画を支援するもので、Feature Table と Batch Table が含まれます。
  3. タイル(Tile)データの基本単位で、以下の4種類があります:
  • Batched 3D Model(b3dm)
  • Instanced 3D Model(i3dm)
  • Point Cloud(pnts)
  • Composite(cmpt)

長所

  1. マルチプラットフォーム対応:WebGL と JavaScript を基盤としており、PC・モバイル・クラウドサーバーなど多様な環境で動作し、クロスプラットフォームに対応します。
  2. 高効率データ管理:視点や距離に応じて解像度を自動調整する LOD 技術により描画効率を向上。DRACO や LZMA など多様な圧縮方式をサポートし、ファイル容量を大幅に削減できます。
  3. オープン性と拡張性:OGC規格として、豊富な開発コミュニティとエコシステムを持ち、柔軟なデータ構造と拡張に対応。傾斜写真、BIM、点群など異種データとの融合も容易です。
  4. 高性能レンダリング:タイルセットと空間階層構造により、大規模データを効率的にストリーミング・描画し、全データの一括読み込みを回避します。

短所

  1. 制作・変換コストが高い:3D Factory(K3DMaker)など専用ツールが必要で、技術的ハードルは高めです。
  2. データ安全性のリスク:Web経由でアクセス・ダウンロードが可能なため、データ漏洩や無断利用の懸念があります。
  3. 機能的な制約:アニメーションや複雑なインタラクションには対応しておらず、FBX などの3Dフォーマットに比べ柔軟性が低い点があります。
  4. 高いハードウェア・通信要求:高精度モデルは数十GBになることもあり、ブラウザのメモリ、ネットワーク帯域、GPU性能に大きく依存します。

応用シーン

3DTiles(Cesium標準)は、大規模で異種混在する三次元地理空間データを効率的に配信・可視化する必要がある領域で幅広く利用されています。デジタルツイン都市構築では、傾斜写真モデルや BIM データを統合し、都市空間の高精度3D可視化とインタラクションを実現します。また、スマートキャンパス、自然資源管理では動的データ融合やリアルタイムシミュレーションを支援し、大規模点群処理や建物群レンダリング、多源データ統合にも活用されます。Web 三次元 GIS アプリケーションにおける標準的フォーマットとして、迅速・高精度な可視化ソリューションを提供します。

1. 3DTiles による大規模3Dモデルの高速読み込み・レンダリング。

ファイルの開き方

1. Cesium 上で 3DTiles を読み込む方法。

関連 GIS ファイル

STL

RVM

VRML

STEP

参考

  1. https://en.wikipedia.org/wiki/3d_studio
  2. https://ja.wikipedia.org/wiki/3ds_Max
  3. https://github.com/threestudio-project/threestudio