JPGIS(日本地理情報標準)
2025年11月19日 15:40

GISBoxは、OSGB/GEOTIFF/RVTなどの複数のGISフォーマットでの編集をサポートし、3DTiles/Terrainへの変換や公開が可能なワンストップ3DGIS データ編集、変換、公開プラットフォームです。

概要

JPGIS(日本地理情報標準) は、日本の国土地理院によって策定された地理情報の標準化体系であり、全国の地理空間データのデジタル共有と流通を実現することを目的としています。本標準は、縮尺1:25,000の地形図ベクトルデータ を基盤とし、空間参照系として UTM投影法 を採用しています。また、中・小縮尺データの処理には ランベルト投影法(Lambert projection) にも対応しています。

データフォーマットの概要

JPGIS(日本地理情報標準) のファイル構造は、主に以下の中核部分で構成されています。

  1. 基礎メタデータ層:データセットの識別情報、座標系の定義(日本平面直角座標系またはWGS84)、タイムスタンプ、著作権表示などの基本属性を含みます。通常、XMLまたはJSON形式 で保存されます。
  2. 空間データ保存層:ベクトルデータは点・線・面を基本単位とし、ShapefileGeoJSON形式 をサポートします。国土地理院標準地図データとの互換性を有し、ラスタデータは JPEG DOMTIFF DEM 形式によるブロック分割保存方式を採用、多解像度ピラミッド構造にも対応しています。
  3. 属性データ関連層:ユニーク識別子(例:フィーチャID)を用いて空間データと属性表を関連付けます。属性フィールドには行政区域コード、分類コードなどの構造化情報が含まれ、データベース表またはCSV形式 で保存されます。これらのフィールド仕様は日本GIS標準化委員会の規格に準拠しています。
  4. 拡張機能モジュール:三次元モデルは OBJ形式傾斜写真モデル を統合し、地質災害監視などの用途に対応します。動的インターフェースは REST APIWebサービス を通じてリアルタイムデータ共有を実現し、電子国土(e-国土)公共プラットフォームの要件を満たします。
  5. 品質管理および検証メカニズム:トポロジー検査や論理的一貫性の検証などのデータ完全性チェックルールを内蔵し、GB/T 18316標準 を参照して品質評価を行います。これにより、国土地理院の技術基準に適合するデータ品質が保証されます。

長所

  1. 標準化と互換性:JPGISは国際地理情報標準(ISO 19100シリーズ)に厳密に準拠しつつ、日本国内の運用要件に最適化されており、グローバルGISシステムとの高い互換性を実現しています。ベクトル・ラスタ両データ形式に対応し、国土地理院の1:25,000標準地図とシームレスに統合可能です。
  2. 高精度データ対応:UTM投影および日本平面直角座標系を採用しており、三次元モデル(OBJ形式)や動的データインターフェース(REST API)をサポートします。
  3. 拡張性と幅広い応用性:電子国土(e-国土)プラットフォームを通じた公共データ共有により、全国から地方レベルまでの多層的データ管理と空間解析を実現します。防災、土地利用、都市計画など、多様な分野に応用されています。

短所

  1. 実装の複雑さ:日本国土地理院の技術仕様(フィールドコード、品質管理基準など)に厳密に従う必要があり、データ収集および処理プロセスが複雑化し、中小規模機関にとって導入コストが高くなる傾向があります。
  2. 動的データ更新の課題:リアルタイムデータインターフェース(Webサービス等)は安定したネットワーク環境を必要とし、また全国約1000箇所の電子基準点の定期的な保守が求められるため、インフラ依存度が高くなります。
  3. 三次元モデルの制限:傾斜写真などの3Dモデルをサポートしているものの、大規模データ処理時にはパフォーマンス上の制約が生じる場合があり、専用ハードウェアや最適化アルゴリズムの導入が必要となります。

応用シーン

JPGIS(日本地理情報標準) は、主に 国土計画・防災・資源管理 の分野で活用されています。地形図データの統合により、災害対策や土地利用計画を支援し、標準化されたGISデータを通じて行政機関間の情報共有を促進、公共サービスの連携効率を向上させます。また、多言語ナビゲーションシステムとの統合によって外国人観光客の利便性を高め、実景3D技術を利用した地質災害リスクの精密監視にも応用されています。さらに、電子国土の推進により、交通・環境・防災・都市インフラ分野における地理情報のスマート活用基盤として重要な役割を果たしています。

  1. JPGIS形式の「Road Edge」データの複数項目を確認。

ファイルの開き方

  1. JPGIS形式の建築物周辺データを開く。

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参考

  1. https://www.gsi.go.jp/REPORT/PATENT-index.html
  2. https://www.opengis.co.jp/htm/basic/FG_JPS_RdEdg2500.htm
  3. https://www.opengis.co.jp/htm/basic/FG_JPS_BldL2500.htm