オーガスト周転円投影法(August Epicycloidal Projection)
2025年12月18日 16:20

GISBoxは、OSGB/GEOTIFF/RVTなどの複数のGISフォーマットでの編集をサポートし、3DTiles/Terrainへの変換や公開が可能なワンストップ3DGIS データ編集、変換、公開プラットフォームです。

概要

オーガスト周転円投影法(August Epicycloidal Projection)は、19世紀に数学者フェルディナント・アウグスト(Ferdinand August)によって考案された擬方位図法系の世界地図投影法です。この投影法は、エピサイクロイド(周転円)曲線を基礎として経緯線を配置する点に特徴があり、全世界を一枚の地図として表現することを目的としています。面積・角度・距離のいずれも厳密には保持しないものの、全体としての視覚的な均衡と独特の幾何学的美しさを備えており、主に理論的・教育的な用途や地図投影法の研究に用いられます。

オーバービュー

オーガスト周転円投影法は、特定のファイル構造を持つデータ形式ではなく、数学的定義に基づく地図投影法であり、以下のような幾何学的・数学的要素によって構成されます。

  • 基準形状(エピサイクロイド): 投影の外郭は周転円(エピサイクロイド)曲線によって定義され、世界地図全体がこの曲線内に収まる形で描画されます。
  • 中央点(投影中心): 地図の中心には通常、赤道と本初子午線の交点が配置され、そこから放射状に歪みが増加します。
  • 経線の配置: 経線は曲線として描かれ、中心付近では比較的均等ですが、周辺部に向かうにつれて強く湾曲します。
  • 緯線の配置: 緯線も直線ではなく曲線として表現され、エピサイクロイド形状に沿って配置されます。
  • 数式モデル: 投影は解析幾何学的なパラメトリック方程式によって定義され、GISソフトウェアや地図描画ライブラリでは数式実装により再現されます。

長所

  1. 独特で印象的な世界表現: 周転円形状に基づく外観は非常に特徴的で、他の世界地図投影法とは一目で区別できます。
  2. 全世界を一枚に収められる: 極域を含めた地球全体を単一の閉曲線内に表現でき、世界概念の提示に適しています。
  3. 投影法理解の教育的価値: 歪みの分布が直感的に把握しやすく、地図投影法の比較や数学的背景の解説に有用です。
  4. 装飾的・図学的用途に適する: 科学図版や展示用地図など、視覚的訴求を重視する場面で効果を発揮します。

短所

  1. 面積・角度・距離を保持しない: 等積・正角・等距のいずれの性質も満たさないため、定量的解析には不向きです。
  2. 周辺部の歪みが大きい: 投影境界付近では形状歪みが顕著になり、地理的比較が困難になります。
  3. 実務GISでの利用が限定的: 標準EPSGコードが存在せず、多くのGISソフトではカスタム投影として扱う必要があります。
  4. 位置関係の直感性が低い: 経緯線が大きく湾曲するため、一般利用者にとって地理的位置の把握が難しくなります。

応用シーン

オーガスト周転円投影法は、精密な地理分析や測量用途ではなく、主に地図投影法そのものを紹介・比較する学術的文脈や教育分野で利用されます。大学や研究機関における地図学・測地学の教材、地図史や数学的可視化の解説図として用いられることが多く、また展示用パネルや書籍挿図など、視覚的インパクトを重視する場面でも採用されます。実用的な地理情報処理よりも、投影法の多様性や地図表現の可能性を示す象徴的存在として位置づけられています。

1. オーガスト周転円投影法例。

2. オーガスト周転円投影法例。

関連 GIS 投影

ハマー投影法

航程方位図法

ウィンケル三重投影

チャンバーリン三向投影法

参考

  1. https://map-projections.net/single-view/august-epicycloidal
  2. https://proj.org/en/stable/operations/projections/august.html
  3. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:August_epicycloidal_projection_with_Tissot%27s_indicatrix_centering_0%C2%B0N_0%C2%B0E.svg