STEP (Product Model Data)ファイルとデータ形式
2025年11月17日 17:18
GISBoxは、OSGB/GEOTIFF/RVTなどの複数のGISフォーマットでの編集をサポートし、3DTiles/Terrainへの変換や公開が可能なワンストップ3DGIS データ編集、変換、公開プラットフォームです。
概要
STEP(Standard for the Exchange of Product Model Data)は、製品モデルデータ交換のための国際標準規格で、標準番号はISO 10303です。STEPファイル(拡張子は.stepや.stp)は、異なるCADソフトウェア間で3Dモデルデータをやり取りできるフォーマットとして国際的に広く使用されています。

データフォーマットの概要
STEPファイルの構造はISO 10303によって定義されており、クロスプラットフォーム互換性を実現するためにテキスト形式で設計されています。主に以下の2つのセクションで構成されています:
1. ヘッダーセクション
ファイルの冒頭にあり、メタデータを記録します。
- ファイル識別情報:ファイル名、作成日、バージョン番号など
- 生成ツール情報:作成したCADソフトの名称とバージョン
- プロトコル仕様:使用されるSTEPのサブプロトコル(AP203、AP214、AP242など)
2. データセクション
実際の製品モデル情報を含み、階層モジュール形式で構成されています。
- ジオメトリ・トポロジー情報
- 点、線、面、ソリッドなどの基本要素
- NURBSサーフェスやB-Repなどの複雑な形状表現
- アセンブリ階層
- 属性・セマンティクス情報
- 材料特性(密度、材質など)
- 寸法公差や表面粗さなどの製造情報(PMI)
- 色やレイヤーなどの表示属性
- 製品構造ツリー
長所
- ソフト間互換性:ISO 10303に準拠した中立的なASCII形式により、SolidWorks、CATIA、Creoなどの主要CADソフト間でジオメトリデータやアセンブリ関係をロスなく共有可能。
- 製品構造の明確な伝達:階層的なエンティティ関連付けによって、アセンブリの論理構造と位置関係を正確に再現。
- 技術的な自主性の確保:メーカー独自仕様に依存せず、OCCTなどのオープンソースカーネルでの2次開発が可能。
- 連携コストの削減:PMI情報の活用により、CAMやCAEプロセスへのスムーズな連携が可能。自動車部品分野では開発サイクルが30%以上短縮された事例も。
短所
- 文字コードの制限:初期プロトコル(AP203/AP214)はUTF-8をサポートしておらず、日本語パスや注釈に文字化けが発生する可能性あり。AP242で一部改善されるも、完全な互換性は不安定。
- 大規模ファイルの解析速度:複雑なアセンブリを含むSTEPファイルでは三角ポリゴンのデータ量が膨大となり、読み込み時間が長くなる。
- バイナリ形式の非主流化:テキスト形式(.step/.stp)が主流で、バイナリ形式はあまり使われず、ファイルサイズが大きくなる傾向。
応用シーン
STEPファイルは、クロスプラットフォーム設計コラボレーション(自動車・航空分野における異機種CADシステム間のデータ交換など)や製品ライフサイクル管理(軍事・医療機器の長期データアーカイブなど)で広く利用されています。また、製造プロセス統合(CAM処理、3Dプリント)や業界固有の要件(船舶AP218プロトコル、医療AP239プロトコル)もサポートしています。
例
1. STEPファイル。

2. STEPファイル。

ファイルの開き方
1. Glovius Cloud を使用してブラウザで開いたエンジン ブロックの STP ファイル。

関連 GIS ファイル
SketchUp
RVM
NTF
DGN
参考
- https://en.wikipedia.org/wiki/ISO_10303-21
- https://www.spatial.com/glossary/what-is-an-stp-file
- https://file.org/extension/step