NAD83(HARN) – EPSG:4152
2026年05月18日 15:12
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概要
NAD83(HARN) – EPSG:4152 は、北米測地基準系1983(NAD83)の高精度実現版であり、1990年代に米国国家測地局(NGS)が推進した High Accuracy Reference Network(HARN)計画によって整備されました。GPS観測データを導入することで、元の NAD83 よりも大幅に精度が向上し、約0.01〜0.05メートルの位置精度を実現しています。現在ではより新しい実現系に置き換えられつつありますが、米国における既存GISデータや地方自治体システムでは依然として広く利用されています。
構成要素
NAD83(HARN) – EPSG:4152 は、以下の主要要素によって構成されています。
- 原点(Origin):地球の重心を基準としつつ、北米プレートに固定されています。
- 参照楕円体(Reference Ellipsoid):GRS 1980(長半径:6,378,137.0 m、扁平率:1/298.257222101)
- 座標表現(Coordinate Representation):二次元地理座標(緯度・経度)を使用し、高さ成分は含みません。
- 基準ネットワーク(Reference Network):米国内に約10〜50 km間隔で配置された高密度GPS基準点網。
- プレート固定(Plate Fixing):北米プレートに固定されているため、地殻変動による座標ドリフトが発生しません。
長所
- 高精度(0.01〜0.05 m):地域・地方レベルのGIS用途や測量業務に十分な精度を提供します。
- プレート固定による安定性:地殻変動を追跡するためのエポック管理が不要であり、法的境界や地籍データ管理を簡素化できます。
- 高密度基準点ネットワーク:米国内全域に広く基準点が配置されており、安定した位置参照が可能です。
- 豊富な既存データ資産:連邦・州・地方自治体が作成した1990〜2000年代のGISデータで広く採用されています。
- 主要GISソフトウェアでの対応:ArcGIS、QGIS、測量ソフトウェアなどで標準サポートされています。
短所
- 二次元座標のみ対応:高さ情報は含まれておらず、標高を扱う場合は NAVD88 など別の鉛直基準系が必要です。
- 地域限定の座標系:北米地域向けに設計されているため、グローバルデータセットには適していません。
- 世界基準系とのズレ:WGS84 や ITRF と比較すると約1〜2メートルの差異があり、変換処理が必要になります。
- 新しい実現系に置き換えられている:現在では NAD83(2011)(EPSG:6318)など、より高精度な実現系が推奨されています。
- プレート移動による時間依存性:世界座標系との比較では年間2〜3 cm程度の差異が生じるため、長期運用時には注意が必要です。
応用シーン
NAD83(HARN) は、米国の州政府・地方自治体における地図作成、地籍測量、土地管理、交通ネットワーク、公共インフラ管理などで広く利用されています。特に1990〜2000年代に作成された既存GISデータセットでは現在も一般的な基準系として利用されており、法的境界管理においてプレート固定型座標系としての安定性が評価されています。また、新しい測地基準系への移行が進む一方で、多くの既存システムとの互換性維持や法規制への対応のため、現在でも重要な役割を担っています。
例
1. NAD83(HARN) – EPSG:4152。

関連座標系
ITRF2008
ITRF2005
ガウス=クリューゲル投影
南アフリカ Lo 座標系
参考
- https://epsg.io/4152
- https://spatialreference.org/ref/epsg/4152/wkt.html