ボンヌ図法(Bonne Projection)
2025年10月30日 18:36

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概要

ボンヌ図法(Bonne Projection)とは、擬円錐図法の一種で、全ての緯線を同心円弧として表現し、経線は中心緯線から放射状に伸びる形で描かれる投影法です。特定の基準緯線(標準緯線)において面積や形の歪みを最小化できるため、かつては地理・測量分野で広く用いられました。特徴的なのは、投影後の地図が大きなハート形(心臓形)に見える点で、歴史的には国別地図や大陸図、特にヨーロッパを中心とした地図製作に利用されてきました。

オーバービュー

ボンヌ図法は、擬円錐投影の代表格として以下の特徴を持ちます:

  1. 緯線が同心円弧:全ての緯線が基準緯線を中心とした円弧で描かれ、均等な間隔を維持。
  2. 経線は放射状:基準緯線から放射状に広がり、極点付近で集約する構造。
  3. 面積の歪みを抑制:基準緯線周辺では面積と形状の歪みが少なく、局所的な精度が高い。
  4. 特定地域に最適化可能:基準緯線を変えることで、任意の緯度帯における表示精度を最適化できる。

長所

  1. 基準緯線周辺で形状と面積の歪みが小さい。
  2. 中緯度地域の表示に適しており、地図の精度が高い。
  3. 緯線と経線の構造が理解しやすく、測地作業や航路計画に使いやすい。
  4. 歴史的・装飾的な地図制作にも適し、視覚的に特徴的。

短所

  1. 基準緯線から離れると歪みが急速に大きくなる。
  2. 極域や赤道付近では形状が崩れやすい。
  3. 現代のグローバルな地図用途では汎用性が低く、他の投影法に置き換えられつつある。
  4. 投影数式がやや複雑で、初心者には計算や理解が難しい場合がある。

応用シーン

ボンヌ図法は、特定の緯度帯(特に中緯度地域)を中心に据えた地図作成に適しており、歴史的にはフランスやドイツの国土図、大陸単位の地理資料、学術研究用地図に多用されました。また、心形のユニークな見た目から、装飾的地図や展示用グラフィック、教育用資料などでも活用されています。現代では実用的用途は減少しているものの、地域特化型の地図や歴史的再現プロジェクトにおいては依然として価値を持っています。

1. ボンヌ図法で表した地球(標準緯線は北緯45度)。

2. ベルクハウス星型図法例

関連 GIS 投影

ベルクハウス星型図法

キューブ図法

ウィンケル三重投影

クラスター放物線図法

参考

  1. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%B3%E3%83%8C%E5%9B%B3%E6%B3%95
  2. https://blog.esrij.com/2015/12/15/post-13083/
  3. https://alivevulnerable.com/basic/equal-area-projection/