DTED(Digital Terrain Elevation Data、デジタル地形標高データ)
2025年11月18日 19:39
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概要
DTED(Digital Terrain Elevation Data、デジタル地形標高データ)は、地球表面の標高を格子状に数値化した地理空間データフォーマットで、主に米国国防総省(DoD)によって策定されました。軍事用途をはじめ、航空航法、地形解析、シミュレーション、地理情報システム(GIS)などで幅広く利用されています。DTEDは標準化された形式に基づき、地形を緯度・経度に対応する格子点ごとの標高値として提供することで、統一性と高い互換性を実現しています。

データフォーマットの概要
DTEDのデータフォーマットは階層的に構成され、主に以下の要素を含みます:
- レベル構造(Level 0 / Level 1 / Level 2)
- Level 0:約900m間隔の粗い解像度。広域解析に適用。
- Level 1:約90m間隔の中解像度。標準的な軍事・航空用途で利用。
- Level 2:約30m間隔の高解像度。詳細な地形解析や精密シミュレーションに使用。
- データ構成
- 各DTEDファイルは緯度・経度に基づくタイル形式で管理され、標高値は16ビット符号付き整数(メートル単位)で格納。
- ファイルは「ヘッダ」「データブロック」「チェックサム」で構成され、データの信頼性が確保されている。
- 座標系
- 緯度・経度(WGS84楕円体)を基準に定義され、国際的な互換性を保証。
長所
- 国際標準化と互換性:WGS84に基づいているため、異なるシステムや国際的なアプリケーション間での利用が容易。
- 多階層の解像度:広域から詳細な解析まで、用途に応じて選択可能。
- 軽量で効率的:必要な標高情報を格子形式で効率的に格納し、シンプルな構造で扱いやすい。
- 信頼性の高いデータ:チェックサムなどによるデータ整合性の確保。
短所
- 地表の細部表現が困難:植生、建物などの人工物は含まれず、純粋に地形のみを対象とする。
- 解像度の制限:Level 2でも30m間隔であり、都市モデルなどの超高解像度解析には不十分。
- 古い規格に基づく制約:設計が軍事用途前提のため、民生用の柔軟性や拡張性に乏しい。
- データ入手制限:一部は公開されているが、詳細レベルのデータは軍事・安全保障上の制約を受ける。
応用シーン
DTEDは、地形を考慮するあらゆる分野で活用されています。軍事分野では飛行経路の安全確保やシミュレーション訓練に、航空分野では航法支援に使用されています。また、災害対策や洪水シミュレーションなどの防災分野、都市計画やインフラ整備における基盤データとしても有効です。さらに、地理情報システム(GIS)との連携により、自然資源の管理、環境解析、輸送経路の最適化など幅広い応用が可能であり、標高データの標準的なフォーマットとして国際的に重要な役割を果たしています。
例
- DTEDファイルをインポート。

ファイルの開き方
- サンフランシスコ地域のメッシュ プロットの 1 x 1 度グリッド上の DTED 標高データ。

関連 GIS ファイル
CNSDTF
LVB
GeoVRML
S57電子海図標準
参考
- https://ja.filedesc.com/file/dted
- https://manifold.net/doc/mfd9/dtx,_dted,_nima_.dt0,_dt1,_dt2.htm
- https://www.researchgate.net/figure/DTED-elevation-data-over-a-1-by-1-degree-grid-for-the-San-Francisco-area-mesh-plot_fig6_237550196