GISBox

JPEG 2000 (Joint Photographic Experts Group)ファイルとデータ形式

GISBoxは、OSGB/GEOTIFF/RVT などの複数の GIS フォーマットでの編集をサポートし、3DTiles/Terrain への変換や公開が可能なワンストップ 3DGIS データ編集、変換、公開プラットフォームです。

概要

JPEG 2000は、画像圧縮における国際標準の一つで、従来のJPEG(ISO/IEC 10918)を改良した形で開発されました。ISO/IEC 15444 として 2000 年に標準化され、Wavelet(ウェーブレット)圧縮技術を採用することで、高圧縮率と高画質の両立を実現しています。

データフォーマットの概要

  1. ファイル拡張子.jp2(最も一般的)、.j2k, .jpf, .jpx, .mj2など
  2. 圧縮方式非可逆圧縮(Lossy)可逆圧縮(Lossless) の両方に対応
  3. カラーモデル:RGB、CMYK、グレースケール、YUV などをサポート
  4. ビット深度:8bit ~ 16bit/チャンネルに対応(HDR 画像に適している)
  5. マルチレゾリューション:ズームや部分表示に適した階層構造を持つ
  6. 透過情報(アルファチャンネル):対応可
  7. メタデータ:XML ベースの拡張メタデータに対応

長所

  1. 高画質圧縮:ウェーブレット圧縮により、低ビットレートでもブロックノイズが少なく、画像の輪郭や細部の保持に優れる。
  2. 可逆圧縮対応:元の画質を完全に保ったまま圧縮・展開が可能。
  3. マルチレゾリューション機能:画像を階層的に格納できるため、ズームイン/アウト、サムネイル生成などが高速。
  4. ストリーミング対応:画像の一部分だけを先に読み込むなど、ネットワーク向けに適している。
  5. 色深度と透明度の柔軟な対応:アルファチャンネル付き画像や、高ダイナミックレンジ(HDR)にも対応可能。

短所

  1. 処理速度が遅い:ウェーブレット圧縮は計算負荷が高く、特にリアルタイム表示には不向き。
  2. 対応ソフトが少ない:従来の JPEG と比べて、閲覧・編集可能なツールやブラウザが限定的。
  3. ファイルサイズが大きくなる場合がある:非圧縮に近い画質設定では、JPEG よりもファイルサイズが大きくなることも。
  4. ライセンス問題(過去):一部の機能に特許が絡んでいたこともあり、オープンな採用が進まなかった。

応用シーン

医療分野では MRI や CT の高精細画像の保存に、航空・衛星写真の分野では高解像度画像の効率的管理に、またデジタルアーカイブでは文化財や絵画の忠実な保存形式として利用されることが多くなっています。映画業界ではデジタルシネマの配信にも活用されており、最近ではスマートシティや 3D 都市モデルの GIS システムで使用される地理空間画像の圧縮形式としても注目を集めています。

  1. オリジナルの JPEG フォーマットと JPEG 2000 との比較。

  1. 左 – JPEG。右 – JPEG 2000

ファイルの開き方

  1. ソフトウェアで開いたファイル

  1. Adobe Photoshop で開いたファイル

関連 GIS ファイル

PCIDSK

XML

OGC GeoPackage

PRJ

参考

  1. https://ja.wikipedia.org/wiki/JPEG_2000
  2. https://petapixel.com/2015/09/12/jpeg-2000-the-better-alternative-to-jpeg-that-never-made-it-big/
  3. https://yipcw.wfu.edu/atg/jpeg2000/