OGC API - Tiles(WMTS 2.0)サービス
GISBoxは、OSGB/GEOTIFF/RVT などの複数の GIS フォーマットでの編集をサポートし、3DTiles/Terrain への変換や公開が可能なワンストップ 3DGIS データ編集、変換、公開プラットフォームです。
概要
OGC API - Tiles(旧称:WMTS 2.0)は、OGC(Open Geospatial Consortium)が策定した新世代の地理空間データ配信 API 仕様です。従来の WMTS(Web Map Tile Service)1.0 に代わる形で設計され、RESTful な API 構造とモダンな Web 技術への対応を特徴としています。この仕様は、地図タイル、画像タイル、3D タイル(3D Tiles 形式など)を、HTTP ベースで効率よくクライアントに提供するための標準化された手法を提供します。特にスケーラブルで拡張性のある構造を持ち、スマートシティ、都市モデリング、地理空間分析プラットフォームなどに広く活用されています。
データフォーマットの概要
OGC API - Tiles は、以下のような多様な形式のデータタイルに対応しています:
- 画像形式: PNG、JPEG、WebP など(ラスタ地図)
- ベクトル形式: Mapbox Vector Tile(.mvt)、GeoJSON タイル
- 3D 形式: 3D Tiles(b3dm、glb 等)、点群タイル(.pnts)
- メタデータ形式: JSON(OpenAPI 仕様に基づく定義)
これらの形式は、HTTP リクエストに基づき、パラメータ化された URL から直接取得することができます。
長所
- RESTful 構造: API がシンプルかつ拡張性に富み、他の OGC API(Features, Maps 等)と統一された設計が可能。
- JSON ベースのレスポンス: クライアント開発がしやすく、Web アプリやモバイルアプリとの連携が容易。
- HTTP キャッシュ最適化: CDN やブラウザキャッシュによる高速なデータ配信が可能。
- 拡張性: 将来的な新フォーマットへの対応や、アクセス制御・認証の追加も設計しやすい。
- セマンティクスが明確: 検索・フィルタ・ズームレベルなどが明確に定義されているため、大規模サービスに最適。
短所
- 対応クライアントの限定: 現在、OGC API - Tiles に対応している GIS ソフトやライブラリはまだ限定的で、旧 WMTS 対応システムとの互換性に課題がある。
- 実装の複雑さ: 従来の WMTS よりも柔軟である反面、サーバー側の実装がやや複雑になる可能性がある。
- 高負荷シナリオへの対応には工夫が必要: 高頻度アクセス時のキャッシュ戦略やスケーラビリティ設計を適切に行わないと、パフォーマンスに影響が出る。
応用シーン
OGC API - Tiles は、最新の地理空間 Web サービスを提供するための基盤として、さまざまなシーンで活用されています。たとえば、都市開発における 3D 可視化、観光地の Web 地図、災害時のリアルタイム情報提供、公共交通の経路表示、スマート農業における土壌・植生マップなどが挙げられます。また、CesiumJS や MapLibre、OpenLayers などの Web 可視化ライブラリと組み合わせることで、インタラクティブな WebGIS アプリケーションの構築が可能です。
例
- タイルマトリックスセット。

- クライアント アプリケーションはデータを表示または処理できます。

ファイルの開き方
- この例では、WGS84 CRS を使用しないマップ タイルおよびベクター タイルの両方を示します。

- OGC API - Tiles 例。

関連地図サービス
タイルマップサービス
OGC API - Features
Web Coverage Service
Web Map Tile Service
参考
- https://ogcapi-workshop.ogc.org/api-deep-dive/tiles/
- https://tiles.developer.ogc.org/
- https://opengeospatial.github.io/e-learning/ogcapi-tiles/text/basic-index.html