正弦曲線図法(Sinusoidal Projection)
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概要
正弦曲線図法は、1650 年にフランスの地図製作者サムソンによって考案された擬似円筒正積図法です。サムソン図法またはサムソン・フラムスティード図法とも呼ばれます。その核心的な特徴は、緯度が等距離の平行直線、経線が中心子午線に対称な正弦曲線、中心子午線が長さ比 1 の直線、赤道が非変形線であり、正確な面積比を効果的に維持できることです。投影後、赤道の長さは中心子午線の 2 倍になり、極は点として投影され、突出したエッジを形成し、経緯線は赤道と中心子午線に沿って対称的に分布します。
オーバービュー
正弦曲線図法は、子午線を正弦曲線、緯線を平行直線として投影することで、面積比の精度を実現します。この投影法はシンプルで直感的であり、赤道付近の地図作成に適していますが、高緯度地域では大きな変形が生じます。この投影法は、面積比を維持する必要がある主題図(気候分布図や人口密度図など)において独自の利点を有しますが、その変形分布特性には注意が必要です。
長所
- 正積性(Equal-area 特性):サインゾイド図法は正積図法であるため、地理領域の面積比を正確に保持でき、地域ごとの面積を正確に比較したい場面に適しています。
- 赤道付近での歪みが小さい:赤道から ±40 度以内の範囲では、形状や方位の歪みが少なく、赤道付近の地域の地図作成に適しています。
- 構造がシンプル:数学的な式や投影手法が比較的直感的で理解しやすく、実装も容易です。
短所
- 高緯度での大きな歪み:緯度が高くなるにつれて、長さや角度の歪みが顕著になります。例えば、緯度 45 度付近では長さの歪み率が 50%以上になることがあり、投影図の端では形の歪みが目立つため、高緯度地域の地図には不向きです。
- 図の端における歪みが顕著:図の外縁部、特に経線が外側に大きく張り出すことで、視覚的な違和感や測定精度への影響が生じます。
- 方位の歪み:中央子午線および赤道を除き、その他の地点では角度の歪みが発生するため、方向に敏感な用途では注意が必要です。
応用シーン
正弦曲線図法は、アフリカや南米といった大陸の全体像など、正確な面積比を維持し、赤道付近の地域に重点を置く必要がある地域のマッピングや、気候分布図や人口密度図といった主題図の作成に適しています。正積図法の特性は、地域間の関係を正確に反映する必要があるシーンにおいて独自の利点をもたらしますが、高緯度地域や高い方向精度が求められるシーンでは使用を避けるべきです。
例
- 世界の正弦曲線投影。

- ティソの変形指示曲線を用いた正弦曲線投影。

関連 GIS 投影
ワグナー投影法
ステレオ投影
ファン・デル・グリンデン図法
高斯–クリューゲル投影
参考
- https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%B3%E5%9B%B3%E6%B3%95
- https://pro.arcgis.com/en/pro-app/latest/help/mapping/properties/sinusoidal.htm
- https://manifold.net/doc/mfd9/sinusoidal_projection.htm