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ファン・デル・グリンデン図法(Van der Grinten Projection)

GISBoxは、OSGB/GEOTIFF/RVT などの複数の GIS フォーマットでの編集をサポートし、3DTiles/Terrain への変換や公開が可能なワンストップ 3DGIS データ編集、変換、公開プラットフォームです。

概要

ファン・デル・グリンデン図法(Van der Grinten Projection)は、1898 年にアメリカの地理学者アルフォンス・ファン・デル・グリンデン(Alphons J. van der Grinten)によって開発された世界地図投影法です。この図法は、地球全体を一つの円の中に収めることができるという特徴を持ち、経線と緯線を曲線として描写することで、視覚的にバランスの取れた世界地図を提供します。メルカトル図法と比べて極地の歪みを抑えつつ、大陸の形状を比較的自然な印象で表現できることから、アメリカ地質調査所(USGS)などの地図にも採用された歴史があります。

オーバービュー

  1. 種類:擬円筒図法(Pseudocylindrical Projection)
  2. 座標系:地理座標(緯度・経度)を平面直交座標(X,Y)に変換
  3. 形式:数式により変換可能だが、正確な投影には特殊な変換式を使用
  4. 対応フォーマット:GeoTIFF、Shapefile、KML、GeoJSON などの GIS フォーマットで利用可能
  5. 主なソフトウェア対応:ArcGIS、QGIS、PROJ.4、MapServer などの GIS ツールでサポートされている

長所

  1. 視覚的バランスの良さ:全世界を円形の中に収めるため、地図全体の構成が美しく、教育や展示に向いている。
  2. 赤道付近の形状が比較的正確:赤道周辺の歪みが少なく、熱帯地域の地理情報表現に有用。
  3. 極端な縦横比を避けられる:メルカトル図法に比べて極地の誇張が抑えられているため、北極・南極の表現が自然。

短所

  1. 面積と角度の歪み:等積(equal-area)でもなく、正角(conformal)でもないため、面積や形状、方向の正確な比較には不向き。
  2. 極地の歪みが依然として存在:極地に近づくほど形の歪みが顕著であり、極地研究や航行用途には不適切。
  3. 計算の複雑性:他の標準的な図法に比べて変換式が複雑で、リアルタイム処理や動的マップにやや不向き。

応用シーン

ファン・デル・グリンデン図法は、その美しい円形構成と視覚的にバランスの取れた地図描写から、教育用地図や壁掛け型の世界地図、ポスター、アトラス(地図帳)などに広く利用されています。特に、小中学校での地理教育や、展示会・資料館などでのインフォグラフィック地図作成に適しています。また、国際的なプレゼンテーションやビジュアル資料としても活用され、見る人にインパクトを与える図法として親しまれています。

  1. グリニッジを中心にした Van der Grinten 図法。

  1. Van der Grinten 図法による世界地図。

関連 GIS 投影

ワグナー投影法

グード図法

ロビンソン図法

高斯–クリューゲル投影

参考

  1. https://desktop.arcgis.com/ja/arcmap/latest/map/projections/van-der-grinten-i.htm
  2. https://en.wikipedia.org/wiki/Van_der_Grinten_projection
  3. https://www.shutterstock.com/ja/image-vector/map-world-van-der-grinten-projection-1901383270