Parasolid
GISBoxは、OSGB/GEOTIFF/RVT などの複数の GIS フォーマットでの編集をサポートし、3DTiles/Terrain への変換や公開が可能なワンストップ 3DGIS データ編集、変換、公開プラットフォームです。
概要
Parasolidは、シーメンスが開発した高精度ジオメトリモデリングのコア技術であり、3D コンピュータ支援設計(CAD)、コンピュータ支援エンジニアリング(CAE)、およびコンピュータ支援製造(CAM)の分野で広く使用されています。また、精密な 3D 地形や建築モデルなど、複雑な空間データシーンを扱う地理情報システム(GIS)においても重要な役割を果たします。Parasolid は、中立的なファイル形式で 3D モデルの正確なジオメトリ情報を保存・交換でき、異なるソフトウェア間でのデータ連携を強力にサポートします。

データフォーマットの概要
Parasolid には主に 2 つの形式があります:**.x_t(テキスト形式)と.x_b(バイナリ形式)**
1. .x_t(テキスト形式)
- 特徴:ASCII テキスト形式で保存され、ファイルヘッダー、モデルデータ、トポロジー関係、ジオメトリ詳細などが含まれます。
- 利点:可読性が高く、手動での編集やデバッグが容易です。
- 欠点:ファイルサイズが大きく、処理速度が遅いです。
2. .x_b(バイナリ形式)
- 特徴:バイナリ形式で保存され、データがコンパクトにまとめられています。
- 利点:ファイルサイズが小さく、読み書き速度が速いため、高速処理に適しています。
- 欠点:テキストとして直接読むことができず、専用ツールによる解析が必要です。
長所
- 機能が豊富:ソリッド、サーフェス、自由曲面などのモデリングに対応し、ブーリアン演算、フィーチャーモデリング、レンダリング、データクエリなどのツールを備え、複雑な設計ニーズに対応可能。
- 高い互換性:STEP、IGES など他形式にも対応し、XT ファイルはクロスプラットフォームでのデータ共有を実現。多くの CAD システムに適応。
- 成熟したエコシステム:Siemens や Dassault などの主要ソフトに統合され、200 以上のベンダーにライセンス供与、200 万人以上のユーザーを抱え、高いデータ互換性を誇ります。
- 安定性・信頼性が高い:誤差を含むジオメトリデータにも耐性があり、システムの安定動作を保証します。
- 拡張性に優れる:モジュール化された設計により、独立して動作可能であり、サードパーティーソフトへの統合も容易です。
短所
- 習得コストが高い:機能が多く、特にパラメトリックモデリングなどの高度な機能を習得するには時間がかかります。
- リソース消費が多い:複雑な演算は大量のリソースを使用し、大規模アセンブリの処理時にはパフォーマンス低下の恐れがあります。
- アセンブリモデリングの制約:ボクセルの結合操作が扱いづらく、自由曲面の直感的な表現が困難な場合があります。
- 構造が複雑:C 言語で開発されており、アーキテクチャが分かりにくく、開発・保守の難易度が高いです。
応用シーン
都市計画と GIS の融合プロジェクトにおいては、Parasolid ファイル形式を用いて都市建物の高精度 3D モデルを保存・伝送することができます。これらのモデルは建物の輪郭だけでなく、ドア、窓、バルコニーなどの詳細情報も含んでおり、都市景観の分析、日照解析、換気シミュレーションなどにおいて正確なデータ基盤を提供します。プランナーは、これらのデータを活用して仮想環境で都市空間のレイアウトを最適化し、都市計画の科学性と合理性を向上させることができます。
例
- Parasolid XT ファイル形式でのジオメトリモデル。

- Convergent Modeling(コンバージェントモデリング)を利用した Parasolid。

関連 GIS ファイル
CIS/2
IFC
Alembic
JTOpen
参考
- https://en.wikipedia.org/wiki/Parasolid
- https://plm.sw.siemens.com/en-US/plm-components/parasolid/