正距円錐図法(Equidistant Conic Projection)
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概要
正距円錐図法は、地球を円錐面に投影し、地図として表現する円錐投影法の一種で、経線(子午線)と緯線の間隔を一定に保つことが特徴です。特に、標準緯線と呼ばれる一つまたは二つの緯線上では、距離の歪みが最小となるよう設計されています。
この図法では、経線は円錐の頂点から放射状に広がる直線として描かれ、緯線は同心円弧として描かれます。地球上の大きなエリア(主に東西方向)を比較的正確に表現できるため、国家規模や大陸規模の地図作成によく用いられます。
オーバービュー
正距円錐図法は、面積・形状・方位を完璧に保つことはできないものの、特定の緯度帯での距離の正確性を重視する場面に適しています。特に東西に広がる中緯度地域(例:北アメリカ、日本、中国など)の地図に向いており、教育用地図帳や地理資料、行政計画図などにもよく利用されています。
長所
- 距離の正確性:標準緯線上では距離が正しく保たれ、経線と緯線の間隔も均一のため、距離測定がしやすい。
- 中緯度地域に最適:東西に広がる中緯度の地域を比較的自然な形状で表示できる。
- 比較的簡潔な投影法:数学的にも実装しやすく、描画処理が比較的軽い。
- 教育・学術用途に適する:緯線と経線の構造が視覚的にわかりやすく、地理教育に適している。
短所
- 極地や低緯度地域の歪みが大きい:緯度が標準緯線から離れるほど形状・面積の歪みが顕著になる。
- 面積が正しくない:正距ではあるが等積ではないため、面積比較には向かない。
- 用途が限定される:東西方向に広がる地域以外では精度が低く、汎用的な投影法ではない。
- 方位の保持に課題がある:地図上の方向が必ずしも実際の方位と一致するとは限らない。
応用シーン
正距円錐図法は、特に中緯度に位置する広範囲な地域の地図作成に適しています。たとえば、日本全土やアメリカ合衆国、中国などの国土を東西方向に広くカバーする地図で多用されており、気象図、行政区域図、温度分布図、道路計画図といった距離の表現が重要な分野に活用されています。また、地図上での距離測定やルート計画にも適しており、可読性と実用性を兼ね備えた図法として広く採用されています。
例
- 正距円錐図法。

- 北半球 (左) と南半球 (右) に標準緯線が配置された正距円錐図法または単円錐図法を示します。

関連 GIS 投影
エケルト図法
正距方位図法
正射図法
心射図法
参考
- https://desktop.arcgis.com/ja/arcmap/latest/map/projections/equidistant-conic.htm
- https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A3%E8%B7%9D%E5%86%86%E9%8C%90%E5%9B%B3%E6%B3%95
- https://nkgias.com/ja-jp/NetHelp/index.html#!Documents/%E6%AD%A3%E8%B7%9D%E5%86%86%E9%8C%90%E5%9B%B3%E6%B3%95equidistantconicprojection.htmhttps://desktop.arcgis.com/ja/arcmap/latest/map/projections/equidistant-conic.htm