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ランベルト正角円錐図法(Lambert Conformal Conic Projection)

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概要

ランベルト正角円錐図法(Lambert Conformal Conic Projection)は、円錐投影法の一種で、地球の表面を円錐に投影し、これを展開して平面地図とする地図投影法です。フランスの数学者ランベルト(Johann Heinrich Lambert)によって開発され、特に中緯度地域の地図作成に適した図法として広く利用されています。

この図法の最大の特徴は、正角性(角度を保つ特性)を持つことです。すなわち、地図上の角度が実際の地球上の角度と一致するため、航海や航空などでのルート設計にも適しています。

オーバービュー

ランベルト正角円錐図法を使用する際には、以下のような基本パラメータが必要です:

  1. 標準緯線(Standard Parallels):1 本または 2 本の緯線を指定し、ここではスケールの歪みが最小になります。一般には 2 本使用されることが多い。
  2. 中央経線(Central Meridian):地図の中心となる経度。投影の基準となる縦軸。
  3. 原点の緯度(Latitude of Origin):投影原点の緯度。
  4. 偽東距(False Easting):平面座標における X 方向のオフセット。
  5. 偽北距(False Northing):平面座標における Y 方向のオフセット。
  6. 楕円体パラメータ(地球の形状):WGS84、GRS80 などの楕円体モデルを使用。

長所

  1. 正角性を保持:角度が正確に保たれるため、航海・航空などのルート設計に適している。
  2. 中緯度地域に最適:北緯 30 ~ 50 度程度の地域(例:日本、アメリカ合衆国本土、ヨーロッパ中部など)で、面積・距離・形状の歪みがバランスよく抑えられる。
  3. 広域でも比較的歪みが少ない:標準緯線の間では精度が高く、広範囲を正確に表現可能。

短所

  1. 高緯度・低緯度には不向き:赤道付近や極地では歪みが大きくなるため不適切。
  2. 面積は正しくない:面積の歪みが生じるため、土地利用解析など正確な面積を求める用途には不向き。
  3. 設定がやや複雑:標準緯線の選定やパラメータ設定が必要で、初心者には扱いにくい場合もある。

応用シーン

ランベルト正角円錐図法は、中緯度地域の国土全体や広域地方図に適しており、さまざまな実務に活用されています。たとえば、日本の国土地理院の地形図や航空図の多くはこの図法を採用しています。また、気象庁もこの図法を使って天気図を作成しており、風向や気圧配置を正確に把握できるようになっています。

加えて、交通ネットワーク解析防災 GIS地域計画災害予測モデルなどでも多く使用されており、特に地形的に広がりのある中緯度地域での応用に強みを持ちます。航空機の飛行計画、気象衛星のデータ可視化、または大規模な道路網設計においても利用されるなど、正確な角度と方位の保持が求められる業務に非常に重宝されています。

  1. 2 標準緯線型のランベルト正角円錐図法。

  1. 標準緯線を北緯 20° 及び北緯 50° に設定したランベルト正角円錐図法。

関連 GIS 投影

横メルカトル図法

メルカトル図法

UTM 投影図法

高斯–クリューゲル投影

参考

  1. https://desktop.arcgis.com/en/arcmap/latest/map/projections/lambert-conformal-conic.htm
  2. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88%E6%AD%A3%E8%A7%92%E5%86%86%E9%8C%90%E5%9B%B3%E6%B3%95
  3. http://www.geo.hunter.cuny.edu/~jochen/GTECH201/Lectures/Lec6concepts/Map%20coordinate%20systems/Lambert%20Conformal%20Conic.htm