3D Tiles Service - Cesium 3D Tiles
GISBoxは、OSGB/GEOTIFF/RVT などの複数の GIS フォーマットでの編集をサポートし、3DTiles/Terrain への変換や公開が可能なワンストップ 3DGIS データ編集、変換、公開プラットフォームです。
概要
3D Tiles Serviceは、Cesium が策定した 3D Tiles 仕様に準拠した地図切片サービスで、大規模な 3D 空間データを効率的に可視化・配信するための技術基盤です。主に、BIM、CIM、点群、3D モデル、地形などの複雑なデータを Web ブラウザ上で高速に表示できるよう設計されています。クライアント側では CesiumJS などのビューアを通じてインタラクティブに閲覧が可能であり、サービス提供側はサーバ上で 3D Tiles 形式の階層的データ構造を配信します。
3D Tiles Service は、LOD(Level of Detail)に基づく空間分割技術とストリーミング配信により、データの軽量化と高速読み込みを実現します。特に都市スケールのモデルや点群データの配信に優れており、スマートシティ、都市計画、防災、インフラ管理など多様な分野で活用されています。

データフォーマットの概要
- tileset.json:3D Tiles のルート情報を格納する JSON 形式のファイルで、データの階層構造やバウンディングボックス、参照するバイナリファイルへのパス情報を含みます。
- .b3dm(Batced 3D Model):複数の 3D モデルを一つのバイナリファイルにまとめた形式で、glTF ベースのメッシュデータを含みます。
- .i3dm(Instanced 3D Model):同一形状の 3D モデルを大量に配置する用途向けのフォーマットで、軽量化と描画速度を重視します。
- .pnts:点群データ専用のフォーマットで、LAS/LAZ に類似した構造を取りつつ Web 配信用に最適化されています。
- .cmpt(Composite Tile):異なる形式のタイル(b3dm, i3dm, pnts 等)を一つのタイルに複合的に格納する際に使用されます。
長所
- 高速ストリーミング表示:LOD ベースの構造により、視点に応じた最適なデータ量だけを読み込むため、表示が高速。
- マルチプラットフォーム対応:WebGL ベースで、PC・タブレット・スマートフォンなど複数端末に対応可能。
- 多様な 3D データに対応:点群、BIM、建築モデル、都市モデルなど幅広いデータタイプをサポート。
- オープンスタンダード:Cesium による公開仕様に基づいており、商用・非商用にかかわらず自由に利用・開発可能。
- スケーラブルな配信:分散型サーバ構成により、大量データや広域データも効率的に配信できる。
短所
- 初期変換コストが高い:データを 3D Tiles 形式に変換するには専門ツールや知識が必要であり、導入のハードルがやや高い。
- 非対応フォーマットとの互換性:一部の古い 3D データ形式とは互換性がなく、事前変換が必須となる。
- ブラウザ側の性能依存:高密度データを表示する際、ブラウザや端末のグラフィック性能に影響されやすい。
- 運用コスト:大規模運用では、ストレージや CDN を含むサーバ構成にコストがかかる場合がある。
応用シーン
3D Tiles Service は、都市スケールの 3D 地図配信に最適であり、特にスマートシティ構想、都市計画、災害対策、交通管理、施設管理などで多く活用されています。たとえば、自治体では災害時の避難計画や被害想定シミュレーションに活用され、不動産業界では建物配置や眺望シミュレーションに利用されています。さらに、BIM/CIM との連携により、インフラの維持管理や工事進捗の 3D 可視化にも貢献しています。これらはすべて、Cesium などの Web ビューアと連動して、ユーザーがブラウザ一つで高精度な 3D 情報を扱える環境を提供することを可能にしています。
例
- ニューヨーク市内の 110 万を超える OpenStreetMap 建物。

- フランス、シャップの聖マリー教会の点群。

関連地図サービス
Mapbox API
ArcGIS REST API
OGC API - Coverages
HERE Maps API
参考
- https://cesium.com/blog/2015/08/10/introducing-3d-tiles/
- https://cesium.com/learn/3d-tiling/
- https://cesium.com/why-cesium/3d-tiles/