VTPK (Vector Tile Package)ファイルとデータ形式
GISBoxは、OSGB/GEOTIFF/RVT などの複数の GIS フォーマットでの編集をサポートし、3DTiles/Terrain への変換や公開が可能なワンストップ 3DGIS データ編集、変換、公開プラットフォームです。
概要
VTPK(Vector Tile Package)は、Esri が提唱するベクタータイルデータ形式です。ベクターデータ圧縮およびスライス技術に基づいて構築されており、地理空間データを多層ピラミッド構造のベクタータイル(PBF 形式)に分解することで、効率的な保存と転送を実現します。主な機能としては、マルチ解像度のサポート、ベクターデータに基づく圧縮アルゴリズム、クロスプラットフォーム互換性、オフライン使用機能などが挙げられます。モバイルナビゲーション、地理情報収集、屋外調査などの用途に適しています。

データフォーマットの概要
- メイン画像ファイル (.sid)
- 離散ウェーブレット変換 (DWT) 技術を用いて、画像データを複数の解像度レベル (画像ピラミッド構造) に分解します。
- 各レベルは異なる解像度の画像データに対応し、高解像度から低解像度への連続的な遷移を形成することで、プログレッシブ読み込みとシームレスなブラウジングをサポートします。
- 圧縮アルゴリズムは、高い圧縮率 (グレースケール画像で約 20:1、トゥルーカラー画像で約 50:1) と画質の両方を考慮しており、解凍後の鮮明なディテールを保証します。
- 座標ファイル (.sdw)
- 投影座標系、測地基準系などの地理空間参照情報を格納し、画像データが実際の地理座標と正確に整合していることを保証します。
- メイン画像ファイルとの連携をサポートし、地理的な測位と空間分析機能を実現します。
長所
- 効率的な圧縮と高速レンダリング:ベクターデータに基づく圧縮アルゴリズムによりファイルサイズを大幅に削減し、スライス技術と組み合わせることでオンデマンド読み込みを実現。これによりレンダリング性能が大幅に向上し、特にモバイル端末などのリソースが限られた環境に適しています。
- オフラインでの利用とクロスプラットフォームの互換性:ローカライズされた展開をサポートし、ネットワークフリー環境でも使用できます。また、マルチプラットフォーム GIS ソフトウェアとの互換性があり、データの共有と転送を容易にします。
- マルチ解像度対応の柔軟なインタラクション:ピラミッド構造によりスムーズなズームを実現し、可視領域データのみを読み込み、メモリ使用量と読み込み速度を最適化し、動的なインタラクションニーズに対応します。
短所
- 複雑な静的データ更新:VTPK はスナップショットファイルであるため、更新データを再生成する必要があり、動的な変更にリアルタイムで対応することが困難です。
- 限られた動的レンダリング機能:リアルタイムインタラクションと動的表示に対する深いサポートが不足しており、柔軟性が不十分です。
- 大容量ファイルのストレージ容量への圧迫:大規模なデータセットによって生成された VTPK ファイルは、依然として大きなストレージ容量を占有する可能性があり、圧縮率とデータ量を比較検討する必要があります。
応用シーン
ベクター マップの高速読み込みとインタラクティブな表示を必要とする GIS およびモバイル アプリケーション シナリオ (スマートフォン ナビゲーション、地理情報収集ツール、アウトドア アドベンチャー/調査、その他のオフライン シナリオなど) に適しています。
例
- VTPK ファイルの作成。

- VTPK 形式へのエクスポート。

ファイルの開き方
- QGIS で VTPK ファイルを開く。

関連 GIS ファイル
DWF
MrSID
Autodesk Maya
FBX
参考
- https://pro.arcgis.com/en/pro-app/latest/help/sharing/overview/vector-tile-package.htm
- https://www.ibm.com/docs/en/msam/cd?topic=areas-creating-downloading-vector-tile-packages
- https://community.esri.com/t5/arcgis-pro-questions/can-source-data-be-extracted-from-a-vtpk/td-p/1362009