日本測地系2011 ( JGD2011| EPSG:6668)
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概要
日本測地系 2011(JGD2011)は、日本が 21 世紀初頭に旧測地系(例:東京測地系 1918 など)を置き換えるために制定した、最新の地心座標系です。基準楕円体には GRS80 を採用し、地球の重心を原点とし、座標軸は国際的な基準(グリニッジ子午線など)に従って定義されています。
この座標系は GNSS や VLBI などの宇宙測地技術によって構築され、数センチメートルレベルの高精度を実現しています。プレート移動や地殻変動を動的に反映することができ、日本およびその周辺海域における高精度な測位ニーズに対応しつつ、国際測地基準系(ITRF など)との連携も進められています。
構成要素
- 原点:地球の重心に原点を設定し、地球規模での統一された基準に基づく座標計算が可能です。これは国際的な地心座標系の標準に準拠しています。
- 座標軸:三次元直交座標系により空間を定義。X 軸はグリニッジ子午線と赤道面の交点方向、Y 軸は XZ 平面に垂直な右手系、Z 軸は地球の自転軸と一致し北極方向を指します。
- 楕円体パラメータ:GRS80 楕円体を採用し、長半径は6378137 メートル、扁平率の逆数は298.257222101。このパラメータによって高精度な地理空間位置の計算が可能となります。
- 測地基準:GRS80 楕円体を基準とし、楕円体と地表点の関係から座標系を定義。センチメートル精度の測位に対応する設計となっています。
- 動的特性:GNSS 等の宇宙測地技術により動的更新が可能。プレート移動や地殻変動のモニタリングを通じ、座標系の長期的な安定性を確保しています。
長所
- 高精度:GNSS などの近代技術を活用し、測位精度が大幅に向上。測量や地図作成など、高精度が求められる業務に対応します。
- 動的更新:プレート移動や地殻変動を反映可能。地震活動の多い地域における長期測位にも対応できます。
- 国際互換性:ITRF など国際座標系と整合性があり、国際的な地理情報の連携やデータ共有が容易です。
短所
- 地域限定:主に日本および周辺海域を対象とするため、他地域で利用する際は座標変換が必要となり、利用の複雑さが増加します。
- 技術的依存:高精度な機器と継続的な観測が必要で、維持コストが高いです。発展途上国や遠隔地での利用には導入のハードルが高いといえます。
応用シーン
JGD2011(日本測地基準点 2011)は、土木測量、地図作成、地質災害監視など、日本および周辺海域における高精度な地理測位を必要とする用途に適しています。センチメートルレベルの測位精度は、精密機器の設置、地形図作成、プレート運動監視などのニーズを満たします。ただし、地域限定設計のため、国境を越えたアプリケーションでは座標変換が必要です。
例
- 「東北地方太平洋沖地震補正パラメータ」の座標補正パラメータの大きさ
(出典:日本国土地理院ウェブサイト。

- 日本の測地基準系。

関連座標系
ED50
東京測地系
GDA2020
JGD2000
参考
- https://club.informatix.co.jp/?p=998
- https://www.gsi.go.jp/ENGLISH/page_e30030.html
- https://epsg.io/6688