GISBox

ステレオ投影(Stereographic Projection)

GISBoxは、OSGB/GEOTIFF/RVT などの複数の GIS フォーマットでの編集をサポートし、3DTiles/Terrain への変換や公開が可能なワンストップ 3DGIS データ編集、変換、公開プラットフォームです。

概要

ステレオ投影とは、地球の表面や球面上の点を、球の一つの点(通常は極点)から平面に投影する手法です。この投影法は、点を球面上に配置し、ある一点から対極に位置する投影面に投影することで、円形の地図として表現します。古代ギリシャの数学者によって考案され、天文学や結晶学、地図作成など幅広い分野で使用されています。

ステレオ投影の最大の特徴は、角度が正確に保たれる(正角投影)という点です。そのため、航海図や気象図、極域の地図など、角度の正確さが重要な分野で特に有用です。球面上の円は投影後も円として保たれ、方向の関係性も明確に表示されます。

オーバービュー

ステレオ投影で使用される主なデータフォーマットは以下の通りです:

  1. WKT(Well-Known Text)
    地理空間情報の投影情報を記述するためのテキスト形式で、多くの GIS ソフトに対応。
  2. GeoTIFF
    投影情報を埋め込んだラスター形式で、地形データや気象データなどとともに使用される。
  3. Shapefile(.shp)
    ポリゴン・ライン・ポイント情報と投影設定を別ファイル(.prj)で保持。
  4. PROJ.4 / EPSG コード
    ステレオ投影の座標変換パラメータを簡易に記述可能(例:+proj=stere)

長所

  1. 角度の正確性:正角投影であり、地図上の角度関係が正確に保持されるため、航海や天文観測に適する。
  2. 円の保持性:球面上の円が、投影後も円として表示されるため、視覚的に理解しやすい。
  3. 極域に強い:北極・南極周辺を高精度で表現でき、極域研究・気象解析で重宝される。
  4. 対称性の高さ:投影中心からの対称性が高く、見た目が美しいため、図表などにも利用される。

短所

  1. 面積の歪み:角度を保つ反面、面積は正確に表示されない。中心から離れるほど拡大される。
  2. 距離の不正確性:任意の 2 点間の距離を正確に測ることはできない。
  3. 使用範囲の制限:極を中心とした局所的な表示には適しているが、全球スケールには不向き。
  4. 視認性の偏り:中心から離れるほど歪みが強くなるため、中心以外のエリアの視認性が落ちる。

応用シーン

ステレオ投影は、極域(北極圏・南極圏)に特化した地図や、天文学における星座図、航空機の航行ルート可視化などで広く使用されています。特に、地球観測衛星が極軌道を通ることから、気象衛星データや氷床監視などでは、極中心のステレオ投影が非常に有効です。また、結晶構造の可視化、方位データの解析、地震の震央分布など、地理学だけでなく物理学・地球科学などの分野でも応用されています。

  1. 地球を、北極を接点とする平面に、ステレオ投影した図。

  1. 球面を球面の下の平面に、北極からステレオ投影する 3 次元の説明図。

関連 GIS 投影

ワグナー投影法

グード図法

ファン・デル・グリンデン図法

高斯–クリューゲル投影

参考

  1. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AC%E3%82%AA%E6%8A%95%E5%BD%B1