モルワイデ図法(Mollweide Projection)
GISBoxは、OSGB/GEOTIFF/RVT などの複数の GIS フォーマットでの編集をサポートし、3DTiles/Terrain への変換や公開が可能なワンストップ 3DGIS データ編集、変換、公開プラットフォームです。
概要
モルワイデ図法(Mollweide Projection)は、1805 年にドイツの天文学者カール・モルワイデ(Karl Mollweide)によって考案された正積図法(equal-area projection)の一つです。この投影法は、地球上の面積を正確に表現することを目的としており、特に地理学や気候学、環境研究などで広く用いられています。地図の形状は、赤道が長軸となる楕円形で、極地も含めて地球全体を一つの図で表現できます。経線は曲線で描かれ、緯線は平行な直線として配置されるため、視覚的にもバランスが取れた印象を与えます。
オーバービュー
モルワイデ図法で地理データを扱う際には、以下のようなフォーマットが一般的に使用されます:
- Shapefile(.shp):ベクターデータ形式で、行政区域や河川などの地物表現に適する。
- GeoTIFF(.tif):ラスターデータ形式で、リモートセンシング画像や標高データの表示に使用。
- GeoJSON(.geojson):軽量なベクターフォーマットで、ウェブマップとの親和性が高い。
- KML/KMZ:Google Earth などに対応した地理情報形式。
- EPSG コード:モルワイデ図法には EPSG:54009 が割り当てられており、GIS ソフトで簡単に利用可能。
長所
- 正積性の保持:地球表面の面積が正確に保たれるため、面積比較に適している。
- 視覚的なバランス:楕円形の外形が地球の全体像を見やすく、情報提示に優れる。
- 全球データの一括表示:気候帯、人口分布、土地利用など、地球規模のテーマを扱う際に便利。
- 汎用性の高さ:多くの GIS ソフトウェアや地図描画ツールでサポートされており、導入が容易。
短所
- 形状の歪み:特に極地付近では大きな形状の歪みが発生する。
- 距離と方向の不正確性:距離や方位の保持には適しておらず、航海図やナビゲーション用途には不向き。
- 視覚的なひずみ:経線が湾曲しているため、初見では地図が少し見づらいと感じる人もいる。
- 局地的利用には不適:ローカルエリアの詳細分析には精度が不足する場合がある。
応用シーン
モルワイデ図法は、主に地球規模の統計地図や環境データの可視化に適しています。例えば、世界の森林分布、気候帯、人口密度、温室効果ガス排出量の地図などでは、地域ごとの面積を正確に反映することが重要であり、この図法が有効に機能します。また、教育現場では地球全体を俯瞰する教材地図としても利用されており、面積の比較に直感的な理解をもたらします。正積性を保ちながら地球全体を視覚的に美しく表現できる点から、科学研究や出版物にも多用されています。
例
- グリニッジを中心としたムーアワイデ図法。

- 全球海洋データ分析プロジェクトによって測定された海面フレオン濃度。モルワイデ図法を用いて投影されています。

関連 GIS 投影
ランベルト正角円錐図法
グード図法
ファン・デル・グリンデン図法
高斯–クリューゲル投影
参考
- https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%AB%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%87%E5%9B%B3%E6%B3%95
- https://desktop.arcgis.com/en/arcmap/latest/map/projections/mollweide.htm
- https://www.worldatlas.com/geography/world-map-mollweide-projection.html