東京測地系(Tokyo Datum / Tokyo 1918 | EPSG:4301)
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概要
東京測地系(Tokyo Datum、1918 年東京基準 | EPSG:4301)は、日本で早期に採用された測地基準系の一つです。この座標系は、旧来の測量技術に基づき楕円体パラメータ(例えば長半径および扁平率)を設定しており、原初子午線はグリニッジではなく東京天文台の旧所在地を基準としています。主に日本国内の地図作成や土木測量に利用されてきました。
1918 年に制定されて以来、長きにわたり日本の地理情報分野で使用されてきましたが、技術的制限により、その精度や国際基準との互換性が次第に遅れを取るようになっています。
構成要素
東京測地系(Tokyo 1918 | EPSG:4301)は、ローカルな地域座標系に属しており、以下のような構成要素から成り立っています:
- 楕円体パラメータ
この座標系では、ベッセル楕円体(Bessel 1841)を使用しています。
- 長半径:6377397.155 メートル
- 扁平率:1/299.1528
これらのパラメータは、地球楕円体の形状とサイズを定義し、座標計算の基礎となります。
- 原点
この座標系の原点は日本国内に設定されており、地理的に重要な地点を基準点として使用します。
- 方位
座標系の主軸方向は、特定の地理的方位に従っており、空間における方向の一貫性を保っています。
- スケールファクター(縮尺係数)
楕円体と実際の地球形状の差異による歪みを補正し、測量精度を確保するために、特定のスケールファクターが用いられます。
長所
- 地域適応性が高い:東京測地系は、日本の地理的特徴に合わせて設計されており、当時の測量条件下では地図作成や土木測量のニーズに適していました。
短所
- 精度が限定的:1918 年当時の測量技術や機器に制限されていたため、精度が現代の高精度測位ニーズに応えるには不十分です。
- 国際基準との非互換性:世界的に採用されている座標系(例:WGS84)とは異なるため、国際的・広域的な地理情報の運用においては座標変換が複雑になります。
- 技術の陳腐化:測量技術の進化と地理情報科学の発展により、より高精度で汎用性の高い座標系へと移行が進んでいます。
応用シーン
東京測地系(Tokyo 1918 | EPSG:4301)は、主に過去の日本国内における地図作成、土木測量、土地管理といった用途に適していました。近代的な高精度技術が存在しない時代においては、基本的な地理情報ニーズを満たすことができました。しかし、国際連携、高精度な位置決定、グローバル GIS との統合などを必要とする現代のアプリケーションには不向きです。
例
- GDA2020。

- 東京測地系から世界測地系への変換。

関連座標系
ED50
ETRS89
GDA2020
JGD2000
参考
- https://f.hatena.ne.jp/RobinEgg/20090419175211
- https://epsg.io/4301#google_vignette
- https://spatialreference.org/ref/epsg/4301/
- https://epsg.org/datum_6301/Tokyo.html?sessionkey=dtljclijt0