ニュージーランド測地系2000(NZGD2000,New Zealand Geodetic Datum 2000 | EPSG:4167)
GISBoxは、OSGB/GEOTIFF/RVT などの複数の GIS フォーマットでの編集をサポートし、3DTiles/Terrain への変換や公開が可能なワンストップ 3DGIS データ編集、変換、公開プラットフォームです。
概要
NZGD2000(ニュージーランド測地系 2000) は、ニュージーランド全域で使用されている最新の地理空間基準であり、EPSG コード 4167 に対応しています。これは、1998 年に導入された地球中心・地球固定(Earth-Centered, Earth-Fixed:ECEF)ベースの測地系で、IGS(International GNSS Service)に基づく ITRF96 を基準とし、GNSS(GPS)による高精度測位との互換性が高いのが特長です。NZGD2000 は、旧測地系である NZGD1949 の技術的限界を克服し、地殻変動の補正も考慮した現代的な基準として広く利用されています。
構成要素
- 楕円体基準:GRS80(Geodetic Reference System 1980)を使用
- 測地基準点:高精度な GNSS(全地球航法衛星システム)観測に基づく多数の基準点網
- 原点:WGS84 に整合された地球中心を原点とする
- 時間基準:2000 年 1 月 1 日 0 時(TT)を基準とするダイナミック・データム(動的座標系)
- プレート固定モデル:ニュージーランドのオーストラリアプレートに固定されたモデルを使用
長所
- GNSS との高い整合性:衛星測位技術(特に GPS)と完全に互換性があり、リアルタイムでの高精度な位置情報が得られます。
- 地殻変動への対応:地震活動が活発なニュージーランドでは、プレート移動を考慮した時間依存型モデルを導入しており、測量結果の信頼性が高まります。
- 国際基準との互換性:ITRF をベースにしているため、国際的な地理空間データとの統合や共有が容易です。
- 測量・GIS における標準:政府機関や地理情報システム(GIS)で公式に採用されており、ほぼすべての地図・測量・空間データ処理で標準的に使用されます。
短所
- ローカルな地図とのズレ:NZGD1949 を基にした古い地図やローカルアプリケーションとは座標ズレが生じるため、変換作業(トランスフォーメーション)が必要になります。
- 時間による変化の管理が必要:地殻変動を考慮している分、定期的な更新・時間タグ(エポック)管理が求められ、長期運用では管理負担がやや増加します。
応用シーン
NZGD2000 は、ニュージーランド国内のあらゆる測量、土地登記、都市計画、災害管理、地理情報システム(GIS)、交通インフラ、気象観測などに広く適用されています。また、地震や火山活動の多い地域特性を踏まえた地殻変動モデルとの組み合わせにより、リアルタイム災害対応や長期的なインフラ保全にも活用されています。特に、国の測量・測地政策や 3D 地図サービスにおいては、NZGD2000 は不可欠な基盤技術と位置付けられています。
例
- NZGD2000 子午線回路。

- ニュージーランド本土の PositionNZ 局。

関連座標系
SIRGAS 2000
OSGB36
MGI
Amersfoort(EPSG:4289)
参考
- https://www.linz.govt.nz/guidance/geodetic-system/coordinate-systems-used-new-zealand/geodetic-datums/new-zealand-geodetic-datum-2000-nzgd2000
- https://www.linz.govt.nz/guidance/geodetic-system/coordinate-systems-used-new-zealand/projections/meridional-circuits
- https://www.linz.govt.nz/sites/default/files/cust/sq-introduction-sept-09.pdf