OGC API - Coverages
GISBoxは、OSGB/GEOTIFF/RVT などの複数の GIS フォーマットでの編集をサポートし、3DTiles/Terrain への変換や公開が可能なワンストップ 3DGIS データ編集、変換、公開プラットフォームです。
概要
**OGC API - Coverages **は、Open Geospatial Consortium(OGC)が策定した地理空間データサービスの仕様で、ラスターデータや時空間グリッドなどの連続的なカバレッジデータを標準化されたインターフェースで提供することを目的としています。RESTful API を通じて、カバレッジデータへのアクセス、クエリ、処理を定義し、ラスターバンド情報や画素データなどのデータタイプに対応します。リモートセンシング、気象、海洋学などの分野で広く利用されています。
データフォーマットの概要
OGC API - Coverages のデータ形式は、標準化されたインターフェースに基づき、ラスターデータや時空間グリッドなどの連続カバレッジデータの取得と交換をサポートしています。主な特徴は以下のとおりです:
1. データモデルの基盤
- Coverage 一般データモデルに基づいており、地理的現象を「時空間領域」と「属性領域」の間の写像として表現します。
- 離散型(例:土地利用分類図)と連続型(例:気温分布図)の 2 種類をサポート。
2. インターフェース設計
- RESTful API スタイルを採用。データ伝送には主に JSON 形式 を使用し、現代的な Web 開発に対応。
GetCapabilities
、DescribeCoverage
、GetCoverage
などのコア操作が定義されており、空間・時間・バンドなどの多次元クエリにも対応。
3. 機能拡張
- 時空間の部分抽出、モザイクインデックスのフィルタリングなどの高度な機能をサポート。
- 例えば、地域ごとの気象ラスターデータ抽出や、時系列による海水塩分データ取得などが可能。
4. 実装例
pygeoapi
などを通じて、構成ファイルでラスターデータを追加可能。
Rasterio
や Xarray
などのプラグインにより、GRIB、NetCDF、Zarr などの多様なフォーマットをサポート。
- コレクションの一覧取得やカバレッジタイプの取得といったAPI 呼び出し例も提供。
長所
- 標準化と相互運用性:OGC 標準に基づいており、異なるシステム間でのデータ共有と相互運用を実現。統合コストを削減。
- ラスターデータへの高対応:ラスタースタックや時空間グリッドといった連続的カバレッジデータの処理に特化。リモートセンシングや気象分野の要求に適応。
- RESTful API インターフェース:モダンな API 設計で、JSON・GeoJSON 形式をサポート。Web アプリケーションへの統合が容易。
- 柔軟なデータクエリ:空間、時間、バンドなどの軸でデータを取得でき、分析ニーズに応じた柔軟な利用が可能。
短所
- 学習コストが高い:OGC 標準と RESTful API 開発に精通する必要があり、開発者に高度な技術力が求められる。
- 実装の複雑さ:大規模なラスターデータでは、効率的なアクセスやクエリ処理のためにサーバー側のパフォーマンス最適化が必要。
- 機能的制約:主にカバレッジデータに特化しているため、ベクターデータや非ラスターデータの取り扱いは制限される。
応用シーン
OGC API - カバレッジは、リモート センシング分野での衛星画像やハイパースペクトル データなどの複雑なラスター スタックの処理、気象学や海洋学分野での地域別または時系列による環境データ (気象温度や海洋塩分など) の抽出、ラスター データへの標準化されたアクセスを必要とし、GIS システムに統合して分析するための空間、時間、属性のクエリをサポートする地理空間データ分析に適しています。
例
- システム概要図。

- クライアント・サーバー構成図。

関連地図サービス
Bing Maps API
OGC API - Features
Web Coverage Service
HERE Maps API
参考
- https://ogcapi.ogc.org/coverages/
- https://github.com/opengeospatial/ogcapi-coverages
- https://ogcapi.ogc.org/coverages/overview.html