グード図法(ホモロサイン図法、Goode’s Homolosine Projection)
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概要
グード図法(Goode’s Homolosine Projection)は、20 世紀初頭にアメリカの地理学者ジョン・ポール・グード(John Paul Goode)によって考案された地図投影法です。この投影法は、モルワイデ図法(Mollweide Projection)とシヌソイド図法(Sinusoidal Projection)を合成して作られており、地球全体の面積を正確に表現する正積図法(equal-area projection)として分類されます。
その最大の特徴は、「**分断型(Interrupted)」である点です。特に海洋部分において意図的に地図を分割し、陸地部分の形状や面積の歪みを最小限に抑えることを目的としています。そのため、地球全体を一目で見渡しながらも、面積の正確性と形状の保存性のバランスが高く評価されています。
オーバービュー
グード図法を扱うためのデータは、一般的には GIS ソフトウェアや地図描画ライブラリに対応した以下のようなフォーマットで利用されます:
- **Shapefile (.shp)**:ベクターデータ形式。行政区画や陸地、河川などの地理情報を保持。
- **GeoTIFF (.tif)**:ラスターデータ形式。衛星画像や地表の分布などを表示。
- **GeoJSON (.geojson)**:ウェブ地図用の軽量なベクターデータ形式。
- KML/KMZ:Google Earth などで利用される地理情報の表現形式。
- プロジェクション記述:グード図法は WKT(Well-Known Text)や EPSG コードでは標準的に定義されていないため、カスタムで指定する必要があります。
長所
- 正積性(equal-area):面積の歪みがないため、土地の広さを比較する際に正確。
- 陸地優先の視認性:海洋部分を分割することで、陸地の形状がより自然に保たれる。
- 教育向けに適している:世界全体の陸地分布を俯瞰しやすく、地理教育に最適。
- 視覚バランスに優れる:面積と形状の両方に配慮されており、ビジュアルとして美しい。
短所
- 海洋の連続性が失われる:分断型のため、海域の航路や気象解析には不向き。
- 方向と距離の正確性に欠ける:特に極地や分断部では方向感覚が狂いやすい。
- 実装がやや特殊:EPSG などに標準登録されていないため、カスタム投影の設定が必要になる場合がある。
- インタラクティブ地図に不向き:ウェブベースのスムーズなパン・ズーム操作には適さない。
応用シーン
グード図法は、地理教育、人口密度の分布図、森林や気候帯の可視化、環境問題に関するテーママップなどで広く使用されています。特に国際機関や研究機関の報告資料において、「地球規模での面積比較が必要な地図作成」に最適とされます。地図上に森林減少や砂漠化の分布を表示する際、面積を誇張することなく正しく表現できるため、視覚的にも説得力のある情報提供が可能です。
例
- グード図法で地図投影法。

- グード図法による世界地図。

関連 GIS 投影
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ロビンソン図法
高斯–クリューゲル投影
参考
- https://www.wingfield.gr.jp/archives/11175
- https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%BC%E3%83%89%E5%9B%B3%E6%B3%95
- https://pro.arcgis.com/ja/pro-app/latest/help/mapping/properties/goode-homolosine.htm