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UTM投影図法(Universal Transverse Mercator, UTM)

GISBoxは、OSGB/GEOTIFF/RVT などの複数の GIS フォーマットでの編集をサポートし、3DTiles/Terrain への変換や公開が可能なワンストップ 3DGIS データ編集、変換、公開プラットフォームです。

概要

UTM 投影(Universal Transverse Mercator、ユニバーサル横メルカトル図法)は、地球の表面をゾーン(帯域)に分割して、それぞれに横メルカトル(Transverse Mercator)投影を適用する座標系です。地球を経度 6 度ごとに 60 のゾーンに分け、各ゾーン内で独立した投影を行うことで、高い精度の平面直角座標を得ることができます。

各ゾーンは赤道を基準に、北半球では「N」、南半球では「S」の接尾辞が付けられ、ゾーン番号と組み合わせて識別されます。例えば「UTM Zone 54N」は、日本の関東地方が含まれるゾーンの一例です。

この投影法は、地球の曲率を考慮しつつも、各ゾーン内では比較的平面のように扱えるため、地理情報システム(GIS)や GPS など、位置精度が重視される分野で広く使用されています。

データフォーマットの概要

UTM 座標系は通常、以下の要素を含む形式で記録されます:

  1. 東距(Easting):ゾーン内の基準点(中心子午線)からの東向きの距離(単位:メートル)
  2. 北距(Northing):赤道からの北向き(または南向き)の距離(単位:メートル)
  3. ゾーン番号(1 ~ 60):経度によって定義される帯域番号
  4. 北半球・南半球の識別(N または S)

UTM 投影は多くの GIS ソフトウェア(例:ArcGIS、QGIS、GISBox など)でサポートされており、GeoTIFF や Shapefile といったフォーマットでも使用されます。標準的な EPSG コードとしては、UTM ゾーンに応じた個別の EPSG コード(例:EPSG:32654 は Zone 54N)が用いられます。

長所

  1. 各ゾーン内での距離・面積・角度の精度が非常に高く、測量や建設、都市計画などに適している
  2. メートル単位で扱えるため、解析や計算がシンプル
  3. 広く普及しており、さまざまなソフトや GPS 機器で標準的に利用可能
  4. グローバルなカバレッジを持ちつつ、ゾーン単位で最適化された構造

短所

  1. 複数のゾーンをまたぐ広域の解析には不向き(ゾーンをまたぐと補正が必要)
  2. 各ゾーンが独立しているため、ゾーン間の統一的な可視化や演算には工夫が必要
  3. 北半球と南半球で異なる北距の基準(赤道基準と 1,000,000m オフセット)が混在する可能性がある
  4. 地球全体のグローバル表示には不向きで、あくまで局地的な高精度用途に限られる

応用シーン

UTM 投影は、精度が求められる局地的な地理情報処理に最適です。都市計画、建築設計、森林管理、道路や鉄道のインフラ整備、防災マッピング、軍事測量など、多くの分野で実用的に活用されています。特に GPS 機器が UTM 座標を出力することが多いため、現地測量やフィールド調査でも頻繁に利用されています。

  1. 日本周辺の UTM ゾーン。

  1. ヨーロッパ北部における UTM ゾーン。

関連 GIS 投影

経緯投影

メルカトル図法

TAB

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参考

  1. https://diovista-ja.hitachi-power-solutions.com/faq/faq_1_2-what-is-utm.html
  2. https://alivevulnerable.com/basic/mercator-projection/
  3. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%8B%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%AB%E6%A8%AA%E3%83%A1%E3%83%AB%E3%82%AB%E3%83%88%E3%83%AB%E5%9B%B3%E6%B3%95