RD New(Rijksdriehoeksmeting New | EPSG:28992)
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概要
RD New(Rijksdriehoeksmeting New)は、オランダの国家基準測地系であり、地理情報の測定や地図作成における標準的な投影座標系です。この座標系は、Amersfoort(アメルスフォールト)を原点とし、平面直角座標系(Transverse Mercator Projection)を基盤としています。EPSG コード 28992 として広く知られており、オランダ全土の正確な空間データ管理を目的に設計されています。現在では、国土管理、都市計画、インフラ設計、災害対応など、公共・民間のさまざまな分野で活用されています。
構成要素
- 座標系:Transverse Mercator 投影を基盤とし、Amersfoort を基準点とする。
- 単位系:距離はメートル(m)で表記される。
- 測地系:Bessel 1841 楕円体を使用し、地理座標系は Amersfoort 基準で定義される。
- 範囲:オランダ国内全域を高精度でカバー可能。
- EPSG コード:28992 として国際的に認識され、GIS ソフトで広く利用可能。
長所
- 高精度なローカル最適化:オランダ国内の地形と整合性が高く、測量・設計精度が非常に高い。
- 公共利用での標準化:政府機関や公共プロジェクトでの採用率が非常に高く、データの互換性と統一性が確保されている。
- 既存データとの互換性:多数の歴史的および現在の地図データが RD New を基準としているため、長期的なデータ統合がしやすい。
- 主流 GIS との親和性:QGIS や ArcGIS などの主要 GIS ソフトウェアでネイティブサポートされており、操作が容易。
短所
- 国外での使用制限:オランダ国内に最適化されているため、他国での利用には不向き。
- Bessel 楕円体の限界:WGS84 などのグローバル標準と比較すると楕円体モデルが古く、精度が劣る場合がある。
- 変換の必要性:他の座標系(例:WGS84)と連携する場合、座標変換が必要になり、精度や処理時間の問題が発生する可能性がある。
応用シーン
RD New 座標系は、オランダ国内での詳細な地図作成や都市インフラの設計において不可欠な存在です。例えば、都市の道路網整備、建築許可の取得、地下施設の位置把握などにおいて、正確な位置情報が求められる場面で活躍しています。また、災害時の緊急対応マップ作成や、行政サービスのエリア分析などにも活用され、政府主導の空間情報インフラの中核を担っています。公共データベースとの連携も容易で、地方自治体から大手建設企業まで幅広いユーザーに支持されています。
例
- OziExplorer の Amersfoort 国立三角測量地図。

- 国立大学教育システムの主な基準点。

関連座標系
日本測地系 2011
東京測地系
GDA2020
JGD2000
参考
- https://blog.studioblueplanet.net/archives/878
- https://justobjects.nl/openstreetmap-tiles-for-dutch-projection-epsg28992/
- https://nl.wikipedia.org/wiki/Rijksdriehoeksco%C3%B6rdinaten