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ランベルト正積方位図法(Lambert Azimuthal Equal-Area Projection)

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概要

ランベルト正積方位図法は、1772 年にドイツの数学者ヨハン・ハインリッヒ・ランベルトによって提案された、面積を正確に保持する方位図法です。この投影法は、地球表面の点を球面投影を通じて平面に写像し、投影前後の面積比を厳密に等しく保つという特性を持ちます。投影の中心では一切の歪みが発生せず、中心からの距離が離れるにつれて、角度や形状の歪みは増加しますが、面積の歪みは常にゼロです。

オーバービュー

幾何学的構成

この投影法は、投影中心点を基準とし、地球表面を球体と見なし、球面上の点を平面に写像します。投影中心では一切の歪みが発生せず、中心から離れるにつれて角度と形状の歪みは徐々に大きくなりますが、面積の歪みは常に発生しません。

2. 数学モデル

ランベルト正積方位図法は、面積保持の特性に基づく数学的モデルによって構築されており、投影前後の面積比が正確に等しくなるように設計されています。この特性により、面積の正確な比較が求められる地図用途で大きな利点があります。

3. 投影の特徴

  • 等積性:投影前後の面積比が厳密に等しく、資源分布図や人口密度図など、面積が重要な意味を持つ地図に最適です。
  • 歪みの法則:中心点から離れるにつれて形状と角度の歪みが増します。極地付近では歪みが小さく、極地の形状や面積を比較的正確に保持できます。

4. 利用目的

本投影法は、極地の地図作成、大圏コース(最短航路)の解析、地域面積の比較などのニーズに応えるために設計されました。面積保持の性質が要求されるこれらのシナリオでは、理想的な選択肢となります。

長所

  1. 面積保持特性:投影前後の面積比が厳密に等しいため、資源分布図、人口密度図など、面積情報の正確さが求められる地図に適しています。
  2. 極地における優れた性能:極地では歪みが比較的小さく、形状や面積の特性を正確に保持できるため、極地の地図作成や分析に最適です。
  3. 大圏航路の視認性:この投影では大圏航路が直線として表現されるため、航路解析やナビゲーションの計画が容易になります。

短所

  1. 形状および角度の歪み:中心点から遠ざかるにつれて、形状や角度の歪みが顕著になります。遠距離地域では、地表の実際の形と大きく異なることがあります。
  2. 適用範囲の限定性:投影中心を含む地域に最も適しており、広域的な地図や異なる地域を含む地図には向かない場合があります。
  3. 方向情報の変化:投影中心点以外の全ての点で方向が変化するため、方向情報が重要な地図には不向きです。

応用シーン

ランベルト正積方位図法は、極地の高精度な地図作成に適しており、極地の形状と面積を正確に保ちます。また、航空・航海分野における大圏航路の解析とルート設計、資源分布や生態保護、地域面積の正確な比較が求められる地理情報システム(GIS)の用途にも適しています。さらに、地質学や地球物理学の専門的な研究にも利用され、面積の歪みが許されない場面において有用です。

  1. ランベルト正積方位図法の基本形。

  1. ランベルト正積方位図法におけるティソの指示楕円(Tissot’s indicatrix)を用いた歪みの可視化例。

関連 GIS 投影

ミラー図法

ランベルト正角円錐図法

アルベルス正積円錐図法

高斯–クリューゲル投影

参考

  1. https://en.wikipedia.org/wiki/Lambert_azimuthal_equal-area_projection
  2. https://pro.arcgis.com/en/pro-app/latest/help/mapping/properties/lambert-azimuthal-equal-area.htm
  3. https://en.m.wikipedia.org/wiki/File:Lambert-azimuthal-equal-area.jpg