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NAD83(North American Datum 1983 | EPSG:4269)

GISBoxは、OSGB/GEOTIFF/RVT などの複数の GIS フォーマットでの編集をサポートし、3DTiles/Terrain への変換や公開が可能なワンストップ 3DGIS データ編集、変換、公開プラットフォームです。

概要

NAD83(North American Datum 1983)は、北米地域(特にアメリカ、カナダ、メキシコ)で広く使用されている地理座標系(地理基準系)です。これは、従来使われていた NAD27(North American Datum 1927)を近代化・高精度化したものであり、GPS 技術との整合性を重視して開発されました。EPSG コードは 4269 に指定されています。

データフォーマットの概要

NAD83 は、地理座標系(Geographic Coordinate System)であり、以下の形式で構成されます:

  1. 座標タイプ:緯度・経度(角度単位)
  2. 楕円体:GRS80(Geodetic Reference System 1980)
  3. 測地基準点:北米プレート上の固定点を基準に設計
  4. 単位:度(十進法による角度表記)

このデータは、シェープファイル(Shapefile)、GeoJSON、KML、GML、GeoTIFF など、さまざまな GIS フォーマットで保存・共有することができます。

長所

  1. 北米地域での高精度性:NAD83 は、北米プレートに合わせた楕円体(GRS80)を使用しており、北米における測量や地図作成において高い精度を発揮します。
  2. GPS との互換性:GPS データ(WGS84)との互換性が高く、変換も比較的容易であり、実用上の誤差は小さく抑えられます。
  3. 多くの公共機関で採用:アメリカ地質調査所(USGS)、国土地理情報院(NGS)、各種自治体などで公式に採用されており、基盤地図情報との統合がしやすい。

短所

  1. WGS84 との完全一致ではない:GPS で使用される WGS84 と完全には一致せず、数十センチ〜数メートルの差が生じる可能性があります。特に精密測量やミリ単位の測位では注意が必要です。
  2. 地域限定の基準系:NAD83 は北米プレートを基準に設計されているため、他地域(特にアジア・ヨーロッパなど)で使用するには適していません。
  3. バージョンの混在:NAD83 には複数の調整版(NAD83(Original), NAD83(HARN), NAD83(NSRS2007), NAD83(2011)など)が存在し、データ間の整合性確保が難しくなる場合があります。

応用シーン

NAD83 は、アメリカ合衆国を中心に、カナダやメキシコを含む北米全体での地理情報システム(GIS)や測量、土地利用計画、インフラ整備、防災対策などに広く利用されています。米国では、多くの国土・州・市町村レベルの行政機関が NAD83 を標準座標系として採用しており、公共インフラの計画、地図データの整備、森林・水資源管理、都市計画、道路・鉄道建設など、あらゆる分野において実用的な基準として機能しています。また、民間の測量会社や建設コンサルタントなども NAD83 ベースのデータを日常的に取り扱っており、北米の空間データ運用の基盤とも言える存在です。

  1. NAD83: 北米測地基準点 1983。

  1. 地心測地基準系 NAD83。

関連座標系

火星座標系

ITRF2020

投影座標系

GPS 座標系

参考

  1. https://pointonenav.com/news/nad-83-datum/
  2. https://gisgeography.com/nad83-north-american-datum/
  3. https://epsg.io/4269