MrSID (Multiresolution Seamless Image Database)ファイルとデータ形式
GISBoxは、OSGB/GEOTIFF/RVT などの複数の GIS フォーマットでの編集をサポートし、3DTiles/Terrain への変換や公開が可能なワンストップ 3DGIS データ編集、変換、公開プラットフォームです。
概要
MrSID(Multiresolution Seamless Image Database)は、ウェーブレット変換に基づくマルチ解像度シームレス画像データベース技術です。階層的圧縮により、ラスターデータの効率的な保存と高速アクセスを実現します。
データフォーマットの概要
- メイン画像ファイル (.sid)
- 離散ウェーブレット変換 (DWT) 技術を用いて、画像データを複数の解像度レベル (画像ピラミッド構造) に分解します。
- 各レベルは異なる解像度の画像データに対応し、高解像度から低解像度への連続的な遷移を形成することで、プログレッシブ読み込みとシームレスなブラウジングをサポートします。
- 圧縮アルゴリズムは、高い圧縮率 (グレースケール画像で約 20:1、トゥルーカラー画像で約 50:1) と画質の両方を考慮しており、解凍後の鮮明なディテールを保証します。
- 座標ファイル (.sdw)
- 投影座標系、測地基準系などの地理空間参照情報を格納し、画像データが実際の地理座標と正確に整合していることを保証します。
- メイン画像ファイルとの連携をサポートし、地理的な測位と空間分析機能を実現します。
長所
- 高圧縮率・高品質:離散ウェーブレット変換技術を用いることで、画像の細部を維持しながら 20:1(グレースケール)から 50:1(トゥルーカラー)の圧縮率を実現し、ストレージ容量を大幅に削減します。
- マルチ解像度シームレスブラウジング:同一ファイル内で複数の解像度を動的に生成することで、複数のバージョンを事前に生成することなく、スムーズなズームやブラウジングが可能になり、操作効率が向上します。
- 選択的な解凍と高速アクセス:特許取得済みの技術により、任意の領域を瞬時に解凍し、対象データのみを読み込み、2MB のメモリでテラバイトレベルの画像ライブラリにアクセスすることで、ハードウェアへの依存を軽減します。
- クロスプラットフォーム互換性:ESRI、ERDAS などの主流 GIS ソフトウェアと GDAL ベースのオープンソースツールをサポートし、システム統合を容易にする無料のブラウザプラグインと SDK を提供します。
短所
- 特許技術の制約:このフォーマットは LizardTech の専有技術であり、オープンソースコミュニティからのサポートは限定的であり、一部の高度な機能は商用ライセンスが必要です。
- リアルタイム編集に適していません:圧縮データは解凍して変更する必要があるため、頻繁な更新(リアルタイム監視など)が必要な動的なシーンには適していません。
- コンピューティングリソースの要件:マルチ解像度の生成と解凍プロセスは CPU の性能に依存し、ローエンドデバイスでは非常に大きなファイルの処理時に遅延が発生する可能性があります。
- 3D およびベクターサポートが不十分:ラスター形式であるため、3D 地形やベクターレイヤーなどの複雑なデータとの統合能力が低く、他の形式と組み合わせて使用する必要があります。
応用シーン
MrSID は、地理情報システム (GIS)、リモート センシング画像処理、大規模マップ サービス、オンライン データ配信など、大量の高解像度画像の処理が必要なシナリオに適しています。
例
- MrSID 画像を挿入します。

- SID ファイル。

ファイルの開き方
- Google マップで MrSID を開く。

関連 GIS ファイル
DWF
Autodesk Navisworks
Autodesk Maya
FBX
参考
- https://en.wikipedia.org/wiki/MrSID
- https://www.loc.gov/preservation/digital/formats/fdd/fdd000184.shtml
- https://gdal.org/en/stable/drivers/raster/mrsid.html