エケルト図法(Eckert Projection)
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概要
エッケルト図法は、20 世紀初頭のドイツの地理学者マックス・エッケルト(Max Eckert)によって考案された地図図法の総称です。彼は異なる特性を持つ 6 種類の図法(Eckert I ~ Eckert VI)を開発しており、それぞれが地球の表面を異なる視点から表現しています。これらの図法は主に擬円筒図法に分類され、特にエッケルト IV と VI は、面積の正確さ(正積性)と視覚的なバランスの良さから、教育や地理資料に広く使用されています。
オーバービュー
エッケルト図法は、緯線を水平直線で表現し、経線を曲線または直線で描くことにより、地球全体を比較的均等な形で視覚化することを目指しています。
特に以下の 2 種類が代表的です:
- エッケルト IV(Eckert IV):正積投影であり、地球の面積比を正確に保ちつつ、形状の歪みを最小限に抑える工夫がなされています。経線はやや湾曲しており、自然で柔らかな外観を持ちます。
- エッケルト VI(Eckert VI):こちらも正積投影で、緯線は等間隔の直線、経線は曲線で構成され、極域の歪みが抑えられています。全体として非常に滑らかな楕円形の外観を持ち、視覚的な美しさにも定評があります。
長所
- 正積性(equal-area):エッケルト IV および VI は面積が正確に保持されるため、土地面積の比較に適しています。
- 視覚的バランスが良好:極端な形状の歪みが抑えられ、地球全体を自然で滑らかな形に表現できる。
- 教育用途に適している:世界全体の広がりをわかりやすく示せるため、学校や教材で多用されます。
- 極域の誇張が少ない:エッケルト VI は極域の圧縮により、視覚上のバランスが向上しています。
短所
- 角度と距離の歪み:面積を正確に保つ代償として、方向や距離は正確に表現されません。
- 航海用途には不向き:方位の歪みにより、航路の正確な計画には適しません。
- 地形の精密分析には不向き:微細な形状や距離を重視する分析には適していないため、精密な GIS 解析には限界があります。
応用シーン
エッケルト図法は、地理教育、統計地図、人口分布図、気候帯の可視化など、世界全体を俯瞰するマクロ的なデータ表現に最適です。特に、面積の正確性が求められるテーマ(例えば森林減少、土地利用、国別のエネルギー消費量など)においては、エッケルト IV や VI がよく使われます。また、視覚的に整った形状は報告書や展示資料にも適しており、見栄えと情報性を両立する地図として重宝されています。
例
- エケルト第 1 図法。

- エケルト第 4 図法。

関連 GIS 投影
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参考
- https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%B1%E3%83%AB%E3%83%88%E5%9B%B3%E6%B3%95
- https://pro.arcgis.com/ja/pro-app/latest/help/mapping/properties/eckert-iv.htm
- https://atlas.cdx.jp/projection/prj18.htm