IGES(Initial Graphics Exchange Specification)ファイルとデータ形式
GISBoxは、OSGB/GEOTIFF/RVT などの複数の GIS フォーマットでの編集をサポートし、3DTiles/Terrain への変換や公開が可能なワンストップ 3DGIS データ編集、変換、公開プラットフォームです。
概要
IGES(Initial Graphics Exchange Specification) は、CAD(コンピューター支援設計)システム間で図面や 3D モデルなどの幾何学データを交換するための中間ファイル形式です。1980 年に米国国家標準協会(ANSI)によって策定され、異なる CAD ソフトウェア間での互換性を確保することを目的としています。特に製造業や機械設計業界において、部品や構造の設計データをベンダー間で共有・再利用するための標準フォーマットとして広く用いられてきました。

データフォーマットの概要
IGES ファイルは基本的にASCII テキスト形式で、以下の 5 つのセクションから構成されます:
- Start Section(開始セクション)
- ファイル作成者や CAD システムの情報を含むコメントなど
- Global Section(グローバルセクション)
- 単位系(mm、inch など)、日付、フォーマットバージョンなど
- Directory Entry Section(ディレクトリエントリ)
- エンティティの概要情報(種類、属性、階層情報など)
- Parameter Data Section(パラメータデータ)
- Terminate Section(終端セクション)
長所
- 高い互換性:多くの CAD ソフトで読み書き可能
- オープン仕様:仕様が公開されており、開発者による実装が可能
- 長年の実績:1980 年代から広く利用され、信頼性が高い
- 多様なデータ形式に対応:2D・3D・注釈など様々なエンティティをサポート
短所
- ソリッドモデリングに不向き:中間ファイルとしてはサーフェスまでであり、ボリューム情報の完全性が低い
- フォーマットが古い:STEP や他の XML ベースの新フォーマットと比べて時代遅れ
- 相互運用性の課題:CAD 間で完全な変換が保証されない場合がある(形状崩れや属性の欠落)
- ファイルサイズが大きくなりやすい:データが冗長になる傾向
応用シーン
IGES は特に製造業や機械・自動車設計の現場で多用されてきました。たとえば、異なる CAD システムを使用する企業同士での製品設計データのやり取りにおいて、IGES はその互換性の高さから「共通言語」として機能してきました。また、3D プリンティングの初期段階で設計データを外部と共有する用途や、レガシー CAD システムの設計資産を新しい環境に移行する場合にも、IGES フォーマットが活躍しています。さらに、CAE(数値解析)や CAM(製造加工)への橋渡しとしても使われ、設計から解析・加工までの一連のデータ連携をスムーズにするための中間媒体として重要な役割を果たしてきました。
例
- (a)IGES 形式に変換された部品(b)サンプルのメッシュ生成プロセス。

- 図 1 – IGES (または STEP) などの中立的な形式を使用する場合と比較して、直接翻訳はユーザーに多大な負担をかけます。

ファイルの開き方
- ソフトウェアで IGES ファイルを表示。

関連 GIS ファイル
VTPK
SLPK
Bentley
FBX
参考
- https://ja.wikipedia.org/wiki/IGES
- https://transmagic.com/iges/
- https://www.dlubal.com/pl/pomoc-techniczna-szkolenia/pomoc-techniczna/funkcje-produktu/000396
- https://www.researchgate.net/figure/aPart-converted-Initial-Graphics-Exchange-Specification-IGES-formatb-Meshing_fig2_339111686